(過去の記事を修正・加筆し、2011年版としました) ■雪が降るとBS/CS・海外衛星の受信状況が悪化する理由 【空中にある雨・雪そのものが障害になっているケース】 衛星放送受信では、雨や雪によって受信の効率が落ちることが知られています(=降雨・降雪減衰)。衛星の電波が、途中にある雨や雪に邪魔されて、アンテナの所まで十分な強さで届かないために発生します。
特に小さなアンテナでも受信できるタイプのKuバンドという電波ではこうした降雨障害が起きやすく、どしゃぶりになった際に受信不能になったりブロックノイズが出たりして正常な視聴に耐えられなくなるといった症状が発生します。
また日本のBSなどでは、受信不能となる手前の悪化状態において「降雨対応放送」という画質・音質を大幅に落とした受信に切り替わってしまうなどします。こうなると、本来の美麗なハイビジョン画像は楽しめなくなります。
>対策 ・パラボラアンテナのサイズアップ
【パラボラに積もった雪や氷が受信効率を落とすケース】 パラボラの表面に雪が積もったり氷の膜がはりついたりすると、電波の受信・反射が正常に行われなくなり、放送が見られなくなるレベルまでシグナル状況が悪化します。これについては降雨障害があまり起きないと言われているCバンド放送においても発生するトラブルです。
特にべちゃべちゃした湿雪はパラボラの表面にはりついて氷となり、受信効率を落とす可能性が大です。湿雪地域の方は、パラボラアンテナ関係での苦労が乾いた雪の地域よりも多いと言って良いかもしれません。
>対策 ・雪が積もらない軒下にアンテナを置く
・アンテナを真円形から楕円形タイプに変える
・室内の窓際にアンテナを置く
・着雪防止・離雪スプレーをパラボラ表面にふきつける
・パラボラカバーをかぶせる
・氷でガリガリになったらお湯で融かして、パラボラ表面の水分を拭き取る
・融雪ヒーターを設置する
(注意;これらの対策を行っても、降雨・降雪減衰自体は解決できません。どう工夫しても雪ですぐに見られなくなる場合はパラボラを大きくしてください。着雪防止対策をしても受信障害が出るケースでは、パラボラをサイズアップしない限り大雪が止んで、衛星とアンテナとの間を隔てる障害の要因が消えるのを待つしかありません。)
■空を舞う雪による信号減衰にはアンテナのサイズアップで
多少の大雨・大雪が降っても大丈夫なように、受信の能力に余力をもたせた大きめのアンテナサイズに変更します。どんなに着雪防止対策をしても、アンテナのサイズが小さければ大量降雪で受信不能となってしまいます。
(こちらは管理人宅の60cmBSアンテナです。共聴用を個室用に転用したものです。以外と軽量で扱いやすいです。)
日本国内のBS/CSに関しては、まず個人用として売られているアンテナでも特に大きなサイズの物を選ぶ方法を考えます。もしそれでは足りないようであれば、業務用を入手するか、海外衛星用の安い75-120cmアンテナを買ってコンバータのみ日本のBS/CS対応LNB(F)を取り付けるかします。
日本のメーカー製の業務用サイズとなると新品ではかなり高くつくので、オークションを定期的に回って安く出品されている中古アンテナを狙うと良いかもしれません。業務用だとまずコンバーターが脱着可能なはずなので、中古アンテナを手に入れてコンバーター(LNB)だけ調子が悪いようであれば、そちらだけ交換しても良いかと思います。
なお、あまりアンテナサイズをあげると、重すぎてベランダや民家の壁には取り付け不可となります。100cm前後ともなれば対応マスト径も76mmや89mmといった具合にかなりサイズアップしたりするので、取り付け金具に余計な資金がかかることも考慮に入れる必要があります。
■小さいアンテナなら、まずは軒下にアンテナを置く方法で 100cm以下のKuバンド(BS/CS)アンテナなら、軒下にパラボラを取り付けるのが一番身近な対策だと思います。屋根の下のでも、雪がかかったり水がたれてパラボラ表面に氷として残らないような場所を選びます。万が一雪や氷がついてしまった時にお湯やほうき等で落とせるよう、軒下でも特に手の届く範囲に取り付けると良いです。
ただあまり屋根のすぐ下に取り付けると、BSアンテナの斜め上から入ってくる電波を屋根が大幅にさえぎってしまいます。こうなるとシグナルレベルが激しく低下するので、軒下といっても数十cmは余裕をみた方が良いです。
■アンテナを真円形から楕円形タイプに変える衛星アンテナはほとんどが真円形(センターフィードアンテナ、プライムフォーカスアンテナ)もしくは楕円形(オフセットアンテナ)をしています(→
詳しくはこちら)。真っ平らな板状、半球形、棒状といったアンテナもありますが、海外衛星や日本のBS/CS・スカパーの受信に使われているのは、まん丸か楕円かのいずれかです。
真円形のパラボラアンテナは楕円形のオフセットアンテナに比べると上を向いている角度が高く、そのぶん雪が積もりやすくなっています。オフセットアンテナにするとその分傾斜がきつくなって雪が滑り落ちやすくなるので、必要・問題に応じて真円形パラボラアンテナから切り替えてみても良いかもしれません。
■室内の窓際にアンテナを置く どうしても屋外では都合が悪い場合、やむを得ず室内にパラボラを置くという選択肢も一応あります。ただし、ガラス窓の素材や窓の外のてすり・枠などが邪魔をするため、屋外設置よりも大幅に受信効率が落ちるかと思います。その場合、これまで使っていたアンテナサイズでは足りず、サイズアップする必要などが出てきます。
■着雪防止・離雪スプレーをパラボラ表面にふきつける パラボラアンテナについた雪をはらうのは大変な作業で、通信業者もあれこれ工夫を強いられています。そうした工夫の一つが撥水・着雪防止素材の塗布です。
NTTは業務用の高性能はっ水素材「HIREC」
http://www.ntt-at.co.jp/company/kankyo/at-eco/eval_hirec/ http://www.keytech.ntt-at.co.jp/environ/prd_4001.html という商品を開発・販売しています。
こちらは価格が高く主に業務用なので、個人ではホームセンターや普通の通販で売っている着雪防止スプレー、離雪スプレーで代用すれば良いかと思います。北米では料理用オイルスプレーをかけている人も多いらしいのですが、油は劣化してパラボラを汚すことも考えられます。最初から着雪防止スプレーを使うことをお勧めします。
スプレーはあまり厚塗りすると受信効率が若干落ちる可能性はあるでしょうが、家の中にパラボラを置くよりははるかに減衰が少なくて済むはずです。
なお、下記パラボラアンテナカバーの説明図にもある通り、コンバータ(LNB)部分に雪が積もると、そのぶんシグナルがブロックされるので時々手で落とした方が良いです。また、LNB部分は繊細なので、パラボラに面してシグナルを拾う箇所には着雪防止スプレーを塗らずに置いた方が望ましいような気もします。
■降雪対策として便利な家庭用パラボラアンテナカバー 海外、特にアメリカの積雪が多い地域ではパラボラアンテナの防雪カバーや融雪ヒーターがネット通販で売られているのをしばしば見かけます。日本のスカパーのようにアメリカでも小さなCSアンテナを使った有料放送が盛んなので、雪で見られなくなってしまうというのは一大事なのだと思われます。
英語でGoogle検索すると「satellite dish cover」、「dish wrap」、「dish hoodie」といったキーワードで商品案内のページが見つかるかと思います。このページではそうしたパラボラカバーについてまとめてみたいと思います。
【パラボラカバーの主な使用目的と形】 海外ショップで売られているパラボラカバーの使用目的は、
(1)アンテナの皿部分に雪が積もって受信レベルが低下するのを防ぐ
(2)LNBFを水滴から保護して故障を防ぐ&寿命を延ばす
(3)景観を保護し家周りの見た目を良くする・・・等です。
【着雪防止パラボラカバー】
形態には何種類かあるのですが、主流は以下の2種類となっているようです。
(1)パラボラの皿部分だけををカバーして平面を作るタイプ
(2)パラボラとLNBFの両方をカバーしてしまうタイプ
ちなみにこれらのカバーはいずれも電波を遮断しない素材で出来ているため、それ自体が受信レベルを下げるといった問題は起きないそうです。 海洋での使用を前提に開発された素材を使っているとうたっているものもあり、使用することによって雪や氷が布地に付着しない状態を確保し、冬でもより快適に受信できるようになるのだとか。
【大型アンテナに取り付ける場合の注意点】 北米の通販ショップでは海外衛星Cバンド放送向け大型メッシュアンテナにも使えるような大直径の着雪防止パラボラアンテナカバーが売られています。
これらの製品はどか雪が降る日本の北海道・東北・北陸地方でのCバンド受信にも役立ってくれそうなのですが、注意すべき点として暴風雪・暴風が挙げられるかと思います。本来風を素通しするメッシュ網素材にカバーをかけてしまうと風圧をもろに受けることとなります。台風同様、軽量メッシュパラボラアンテナが損壊する可能性を考慮に入れた方が良いかもしれません。
【景観保護用カバーについて】 家の景観に馴染ませるために売られているものだと、
(1)パラソルに仕立て下にテーブルやチェアを置く(パティオセット)
(2)空洞の模造岩の中に地上に設置したパラボラを収納する
(3)かわいい絵のついたカバーで家のアクセントにする
といった遊び心たっぷりなガーデニンググッズのような商品が見つかります。ただしこれらはあくまで家の景観保持用です。着雪防止目的の商品とは違った用途で売られている物なので、間違えて雪対策用に買わないようご注意ください(^^;)
英語サイトで買う場合は、カバーの商品説明に「snow」(雪)、「ice」(氷)対策である旨が書かれている物を選びます。
【着雪防止パラボラアンテナカバーを日本で入手するには?】 個人輸入せずに済ますには、日本国内でパラボラカバーを買うか、自作するかすることになります。
業務用としては「レドーム」という名前で売られていますが、価格や入手の容易さからすればあまり現実的ではありません。 買うなら個人・家庭向けパラボラカバーがお勧めです。
そうした家庭向け着雪防止パラボラアンテナカバーは以前楽天市場でも売られていたのですが、2011年末現在では見かけません。
スノーノーベルというスプレーを作った長野県小谷村商工会の防雪グッズ第二弾として登場したパラボラカバーが昨シーズンまで楽天市場の「こうげんや」で売られていたのですが、今シーズンはYahooや楽天のオークションでのみ出品(サイズを聞いた上で作成するカスタムメイド方式)となっている模様です。
ネットオークションや検索エンジンでも全く見つからなければ、自分で作ってみてください。
アウトドア用やマリン(海洋・船舶)用に売っている特殊撥水素材の布地でできた製品をたるみができないようにパラボラアンテナにかぶせれば完了です。その他、水をはじきそうな布地・シート・ウェアをホームセンター等で買ってきて、着雪防止スプレーで補強するといった方法でも良いかと思います。
布地に電波を阻害するような金属素材でも入っていない限り、大幅な信号減衰は起きないはずです。
■お湯をかけて雪や氷を融かす パラボラの表面にこびりついた雪や氷を除去する手っ取り早い方法は、お湯だと思います。お湯をかけた後そのまま放置すると冷えてまた氷になるので、作業後乾いた布で水分を良く拭き取った方がよいかもしれません。
なおパラボラ、特に先に取り付けられているコンバーター(LNB)の中には電子部品が入っており高温で損壊しかねません。お湯を使う場合は、やかんで沸騰したての熱湯ではなく雪が融かせるのに十分な程度のぬるま湯を使うようにします。
■融雪ヒーター 日本のメーカーが作って売っているBS/CSアンテナ融雪ヒーターは業務用のため非常に高価です。正直、個人が気軽に手を出せる価格ではありません。
しかし北米では家庭用CSパラボラ融雪ヒーターが比較的容易に入手可能です。こうした海外で売られているKuバンドオフセットアンテナ用カバーなら日本のスカパー、BS、CSアンテナ用にも転用できるので、試してみる価値はあるかもしれません。(海外製品なので万が一の事故にはご注意ください。北米の家電は日本でも流用可能な電圧範囲ですが、個人輸入して設置した場合には念のため自己責任で慎重に管理してください。)
なお、アメリカで多く利用されているDIRECTV用CSアンテナには横幅が広い楕円形パラボラも多いので、融雪ヒーターの形をよく見て買わないと日本のBS/CSパラボラに適合しない可能性が高いです。購入前に必ずサイズを測って確認して下さい。
■大雪に備えての準備、その他対策 上記対策以外にも、大雪に備えていくつか点検しておくと良いかもしれません。
・雪の重みでパラボラがずれる可能性があるので、取り付け金具やボルトの緩みが無いかチェックする。
・大型アンテナは暴風雪による風圧や雪の重みで損壊する可能性もあるので、台風時同様の風対策と雪払いの両方を行う。
・水分の侵入によってコネクタ周辺から劣化が進むので、コンバーター(LNB)や隙間ケーブルに同軸テレビケーブルを挿すコネクタ部分は、簡単な防水キャップではなく、
自己融着テープ(防水テープ)を頑丈に巻いておく。
■参考サイト〜海外で売られているパラボラ防雪グッズ 個人輸入や自作の参考にご覧ください。なお通販された商品によるトラブルや事故については責任を負いかねますので、各自の判断でよろしくお願いします。
・
Montana Satellite Supply ・
DISHBlend ・
Dish Hoodie 【
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