衛星パラボラアンテナの防雪・融雪対策~パラボラカバー、防雪スプレー、融雪ヒーター

受信に使う機材
12 /27 2011
(過去の記事を修正・加筆し、2011年版としました)

■雪が降るとBS/CS・海外衛星の受信状況が悪化する理由

【空中にある雨・雪そのものが障害になっているケース】

衛星放送受信では、雨や雪によって受信の効率が落ちることが知られています(=降雨・降雪減衰)。衛星の電波が、途中にある雨や雪に邪魔されて、アンテナの所まで十分な強さで届かないために発生します。

特に小さなアンテナでも受信できるタイプのKuバンドという電波ではこうした降雨障害が起きやすく、どしゃぶりになった際に受信不能になったりブロックノイズが出たりして正常な視聴に耐えられなくなるといった症状が発生します。

また日本のBSなどでは、受信不能となる手前の悪化状態において「降雨対応放送」という画質・音質を大幅に落とした受信に切り替わってしまうなどします。こうなると、本来の美麗なハイビジョン画像は楽しめなくなります。

>対策
・パラボラアンテナのサイズアップ

【パラボラに積もった雪や氷が受信効率を落とすケース】

パラボラの表面に雪が積もったり氷の膜がはりついたりすると、電波の受信・反射が正常に行われなくなり、放送が見られなくなるレベルまでシグナル状況が悪化します。これについては降雨障害があまり起きないと言われているCバンド放送においても発生するトラブルです。

特にべちゃべちゃした湿雪はパラボラの表面にはりついて氷となり、受信効率を落とす可能性が大です。湿雪地域の方は、パラボラアンテナ関係での苦労が乾いた雪の地域よりも多いと言って良いかもしれません。

>対策
・雪が積もらない軒下にアンテナを置く
 ・アンテナを真円形から楕円形タイプに変える
・室内の窓際にアンテナを置く
・着雪防止・離雪スプレーをパラボラ表面にふきつける
・パラボラカバーをかぶせる
・氷でガリガリになったらお湯で融かして、パラボラ表面の水分を拭き取る
・融雪ヒーターを設置する

(注意;これらの対策を行っても、降雨・降雪減衰自体は解決できません。どう工夫しても雪ですぐに見られなくなる場合はパラボラを大きくしてください。着雪防止対策をしても受信障害が出るケースでは、パラボラをサイズアップしない限り大雪が止んで、衛星とアンテナとの間を隔てる障害の要因が消えるのを待つしかありません。)


■空を舞う雪による信号減衰にはアンテナのサイズアップで

多少の大雨・大雪が降っても大丈夫なように、受信の能力に余力をもたせた大きめのアンテナサイズに変更します。どんなに着雪防止対策をしても、アンテナのサイズが小さければ大量降雪で受信不能となってしまいます。
 
60cmアンテナ
(こちらは管理人宅の60cmBSアンテナです。共聴用を個室用に転用したものです。以外と軽量で扱いやすいです。)

日本国内のBS/CSに関しては、まず個人用として売られているアンテナでも特に大きなサイズの物を選ぶ方法を考えます。もしそれでは足りないようであれば、業務用を入手するか、海外衛星用の安い75-120cmアンテナを買ってコンバータのみ日本のBS/CS対応LNB(F)を取り付けるかします。
 
日本のメーカー製の業務用サイズとなると新品ではかなり高くつくので、オークションを定期的に回って安く出品されている中古アンテナを狙うと良いかもしれません。業務用だとまずコンバーターが脱着可能なはずなので、中古アンテナを手に入れてコンバーター(LNB)だけ調子が悪いようであれば、そちらだけ交換しても良いかと思います。

なお、あまりアンテナサイズをあげると、重すぎてベランダや民家の壁には取り付け不可となります。100cm前後ともなれば対応マスト径も76mmや89mmといった具合にかなりサイズアップしたりするので、取り付け金具に余計な資金がかかることも考慮に入れる必要があります。


■小さいアンテナなら、まずは軒下にアンテナを置く方法で

100cm以下のKuバンド(BS/CS)アンテナなら、軒下にパラボラを取り付けるのが一番身近な対策だと思います。屋根の下のでも、雪がかかったり水がたれてパラボラ表面に氷として残らないような場所を選びます。万が一雪や氷がついてしまった時にお湯やほうき等で落とせるよう、軒下でも特に手の届く範囲に取り付けると良いです。

ただあまり屋根のすぐ下に取り付けると、BSアンテナの斜め上から入ってくる電波を屋根が大幅にさえぎってしまいます。こうなるとシグナルレベルが激しく低下するので、軒下といっても数十cmは余裕をみた方が良いです。


■アンテナを真円形から楕円形タイプに変える

衛星アンテナはほとんどが真円形(センターフィードアンテナ、プライムフォーカスアンテナ)もしくは楕円形(オフセットアンテナ)をしています(→詳しくはこちら)。真っ平らな板状、半球形、棒状といったアンテナもありますが、海外衛星や日本のBS/CS・スカパーの受信に使われているのは、まん丸か楕円かのいずれかです。

真円形のパラボラアンテナは楕円形のオフセットアンテナに比べると上を向いている角度が高く、そのぶん雪が積もりやすくなっています。オフセットアンテナにするとその分傾斜がきつくなって雪が滑り落ちやすくなるので、必要・問題に応じて真円形パラボラアンテナから切り替えてみても良いかもしれません。


■室内の窓際にアンテナを置く

どうしても屋外では都合が悪い場合、やむを得ず室内にパラボラを置くという選択肢も一応あります。ただし、ガラス窓の素材や窓の外のてすり・枠などが邪魔をするため、屋外設置よりも大幅に受信効率が落ちるかと思います。その場合、これまで使っていたアンテナサイズでは足りず、サイズアップする必要などが出てきます。


■着雪防止・離雪スプレーをパラボラ表面にふきつける

パラボラアンテナについた雪をはらうのは大変な作業で、通信業者もあれこれ工夫を強いられています。そうした工夫の一つが撥水・着雪防止素材の塗布です。

NTTは業務用の高性能はっ水素材「HIREC」
http://www.ntt-at.co.jp/company/kankyo/at-eco/eval_hirec/
http://www.keytech.ntt-at.co.jp/environ/prd_4001.html
という商品を開発・販売しています。

こちらは価格が高く主に業務用なので、個人ではホームセンターや普通の通販で売っている着雪防止スプレー、離雪スプレーで代用すれば良いかと思います。北米では料理用オイルスプレーをかけている人も多いらしいのですが、油は劣化してパラボラを汚すことも考えられます。最初から着雪防止スプレーを使うことをお勧めします。

スプレーはあまり厚塗りすると受信効率が若干落ちる可能性はあるでしょうが、家の中にパラボラを置くよりははるかに減衰が少なくて済むはずです。

なお、下記パラボラアンテナカバーの説明図にもある通り、コンバータ(LNB)部分に雪が積もると、そのぶんシグナルがブロックされるので時々手で落とした方が良いです。また、LNB部分は繊細なので、パラボラに面してシグナルを拾う箇所には着雪防止スプレーを塗らずに置いた方が望ましいような気もします。


■降雪対策として便利な家庭用パラボラアンテナカバー

海外、特にアメリカの積雪が多い地域ではパラボラアンテナの防雪カバーや融雪ヒーターがネット通販で売られているのをしばしば見かけます。日本のスカパーのようにアメリカでも小さなCSアンテナを使った有料放送が盛んなので、雪で見られなくなってしまうというのは一大事なのだと思われます。

英語でGoogle検索すると「satellite dish cover」、「dish wrap」、「dish hoodie」といったキーワードで商品案内のページが見つかるかと思います。このページではそうしたパラボラカバーについてまとめてみたいと思います。

【パラボラカバーの主な使用目的と形】

海外ショップで売られているパラボラカバーの使用目的は、
(1)アンテナの皿部分に雪が積もって受信レベルが低下するのを防ぐ
(2)LNBFを水滴から保護して故障を防ぐ&寿命を延ばす
(3)景観を保護し家周りの見た目を良くする・・・等です。
 
【着雪防止パラボラカバー】



形態には何種類かあるのですが、主流は以下の2種類となっているようです。
(1)パラボラの皿部分だけををカバーして平面を作るタイプ
(2)パラボラとLNBFの両方をカバーしてしまうタイプ

ちなみにこれらのカバーはいずれも電波を遮断しない素材で出来ているため、それ自体が受信レベルを下げるといった問題は起きないそうです。 海洋での使用を前提に開発された素材を使っているとうたっているものもあり、使用することによって雪や氷が布地に付着しない状態を確保し、冬でもより快適に受信できるようになるのだとか。

【大型アンテナに取り付ける場合の注意点】

北米の通販ショップでは海外衛星Cバンド放送向け大型メッシュアンテナにも使えるような大直径の着雪防止パラボラアンテナカバーが売られています。

これらの製品はどか雪が降る日本の北海道・東北・北陸地方でのCバンド受信にも役立ってくれそうなのですが、注意すべき点として暴風雪・暴風が挙げられるかと思います。本来風を素通しするメッシュ網素材にカバーをかけてしまうと風圧をもろに受けることとなります。台風同様、軽量メッシュパラボラアンテナが損壊する可能性を考慮に入れた方が良いかもしれません。

【景観保護用カバーについて】

家の景観に馴染ませるために売られているものだと、
(1)パラソルに仕立て下にテーブルやチェアを置く(パティオセット)
(2)空洞の模造岩の中に地上に設置したパラボラを収納する
(3)かわいい絵のついたカバーで家のアクセントにする

といった遊び心たっぷりなガーデニンググッズのような商品が見つかります。ただしこれらはあくまで家の景観保持用です。着雪防止目的の商品とは違った用途で売られている物なので、間違えて雪対策用に買わないようご注意ください(^^;)

英語サイトで買う場合は、カバーの商品説明に「snow」(雪)、「ice」(氷)対策である旨が書かれている物を選びます。

【着雪防止パラボラアンテナカバーを日本で入手するには?】

個人輸入せずに済ますには、日本国内でパラボラカバーを買うか、自作するかすることになります。

業務用としては「レドーム」という名前で売られていますが、価格や入手の容易さからすればあまり現実的ではありません。 買うなら個人・家庭向けパラボラカバーがお勧めです。

そうした家庭向け着雪防止パラボラアンテナカバーは以前楽天市場でも売られていたのですが、2011年末現在では見かけません。スノーノーベルというスプレーを作った長野県小谷村商工会の防雪グッズ第二弾として登場したパラボラカバーが昨シーズンまで楽天市場の「こうげんや」で売られていたのですが、今シーズンはYahooや楽天のオークションでのみ出品(サイズを聞いた上で作成するカスタムメイド方式)となっている模様です。

ネットオークションや検索エンジンでも全く見つからなければ、自分で作ってみてください。

アウトドア用やマリン(海洋・船舶)用に売っている特殊撥水素材の布地でできた製品をたるみができないようにパラボラアンテナにかぶせれば完了です。その他、水をはじきそうな布地・シート・ウェアをホームセンター等で買ってきて、着雪防止スプレーで補強するといった方法でも良いかと思います。

布地に電波を阻害するような金属素材でも入っていない限り、大幅な信号減衰は起きないはずです。
 

■お湯をかけて雪や氷を融かす

パラボラの表面にこびりついた雪や氷を除去する手っ取り早い方法は、お湯だと思います。お湯をかけた後そのまま放置すると冷えてまた氷になるので、作業後乾いた布で水分を良く拭き取った方がよいかもしれません。

なおパラボラ、特に先に取り付けられているコンバーター(LNB)の中には電子部品が入っており高温で損壊しかねません。お湯を使う場合は、やかんで沸騰したての熱湯ではなく雪が融かせるのに十分な程度のぬるま湯を使うようにします。


■融雪ヒーター

日本のメーカーが作って売っているBS/CSアンテナ融雪ヒーターは業務用のため非常に高価です。正直、個人が気軽に手を出せる価格ではありません。

しかし北米では家庭用CSパラボラ融雪ヒーターが比較的容易に入手可能です。こうした海外で売られているKuバンドオフセットアンテナ用カバーなら日本のスカパー、BS、CSアンテナ用にも転用できるので、試してみる価値はあるかもしれません。(海外製品なので万が一の事故にはご注意ください。北米の家電は日本でも流用可能な電圧範囲ですが、個人輸入して設置した場合には念のため自己責任で慎重に管理してください。)

なお、アメリカで多く利用されているDIRECTV用CSアンテナには横幅が広い楕円形パラボラも多いので、融雪ヒーターの形をよく見て買わないと日本のBS/CSパラボラに適合しない可能性が高いです。購入前に必ずサイズを測って確認して下さい。


■大雪に備えての準備、その他対策

上記対策以外にも、大雪に備えていくつか点検しておくと良いかもしれません。

・雪の重みでパラボラがずれる可能性があるので、取り付け金具やボルトの緩みが無いかチェックする。
・大型アンテナは暴風雪による風圧や雪の重みで損壊する可能性もあるので、台風時同様の風対策と雪払いの両方を行う。 
・水分の侵入によってコネクタ周辺から劣化が進むので、コンバーター(LNB)や隙間ケーブルに同軸テレビケーブルを挿すコネクタ部分は、簡単な防水キャップではなく、自己融着テープ(防水テープ)を頑丈に巻いておく。


■参考サイト~海外で売られているパラボラ防雪グッズ

個人輸入や自作の参考にご覧ください。なお通販された商品によるトラブルや事故については責任を負いかねますので、各自の判断でよろしくお願いします。
 
Montana Satellite Supply
DISHBlend
Dish Hoodie
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海外衛星視聴に使うテレビ(場合により日本用テレビ、パソコンモニタでの代用も可能)

受信に使う機材
07 /16 2010
(以前の記事を修正・加筆し、液晶テレビと画質に関する部分をアップデートしました)

■マルチテレビ(マルチシステムテレビ)

海外衛星をそのままクリアな画質で楽しむにはその放送の映像方式に対応したテレビを使用するのがお勧めです。

海外衛星の大半はPAL方式ですが台湾や韓国は日本と同じNTSC方式のため、海外衛星の受信には両方の方式に対応したマルチ方式テレビを使います。PALかNTSCかはテレビ側が自動で判別してくれるので、リモコンでいちいちPALやNTSCを切り替える面倒はかかりません。

マルチテレビは海外家電を取り扱うショップで購入できます。秋葉原だと外国人観光客向けの免税家電店に置いてあります。また最近は海外モデル家電専門のネット通販があり、私も度々お世話になっています。(ちなみに実際に秋葉原を回ったことがあるのですが、価格はネット通販とほぼ同じといった感じでした。)

【海外向けモデル家電ネットショップの例】
 ・海外電気CLUB
 ・野口商会
 ・ベストプライスラック
 ・マサニ電気


■秋葉原等が近ければ足を運んで実物を見てみる

私はこれまでに数台のマルチテレビを購入しましたが、海外向けモデルは同じメーカーの同じ名前を冠していても作りが甘かったり、クオリティ的には十分ながら日本国内向けの同等モデルとは使用や機能が微妙に違うケースがあるように感じました。

後々の使い勝手にも関わってくるので、近くに秋葉原のような所があれば足を運び実物を見た上で決めた方が良いと思います。それが出来なければ、販売サイトの写真とスペックを良く見て検討してみて下さい。メーカーの海外支社サイトにある製品写真や説明書、購買者レビューに寄せられた評価も大変参考になります。


■ブラウン管テレビ?それとも液晶・プラズマワイドテレビ?

数年前までマルチテレビはまだまだブラウン管テレビが主流で液晶マルチテレビは高価で手の出しにくい物でした。しかし最近は国内製品同様に価格が下がってきており、5万円以下の製品もあれこれ出回っています。

海外衛星のハイビジョン放送が始まった頃は液晶テレビもブラウン管に比べると色合いがぼんやりする感じの製品が多く、普通の4:3テレビから乗り換える際に電器店で見本を見て「色がハッキリしない」と残念に思ったこともありました。

しかし近年は海外向けモデルのマルチ液晶テレビも画質が大幅に向上し、光沢のあるグレア液晶や半光沢のハーフグレア液晶が主流となり、さらには液晶パネル等の質も向上してきました。私自身フルHDのBraviaマルチテレビに買い換えたのですが、性能の向上を実感し「あれ、液晶テレビってこんなきれいな画像が出るんだっけ?」と多少ながら驚きました。

海外衛星にハイビジョン放送が増えている現在、マルチ液晶テレビの質がこれだけ向上していることを考えると、液晶テレビとHDTVチューナーとの組み合わせはかなりお勧めとなっているように思います。

ちなみにマルチテレビには日本の地上アナログ放送にも対応した内蔵チューナーがたいていついています。最近は液晶テレビも地デジ内蔵のモデルが主流になっているようですが、残念ながら海外のDVB-T方式だったりするので日本の地デジには対応していません。そのため私も手持ちの海外向けBRAVIA液晶テレビに外付の地デジ・BS/CSチューナーをHDMI接続しています。


■ブラウン管テレビ

14インチマルチテレビなら1万8000円前後で購入できます。寝室で見るといった簡単な用途であればひとまず用は足せるかと思います。

家庭向けの横長ハイビジョン対応ブラウン管マルチテレビというのは見かけないので、ブラウン管マルチテレビといえば4:3の昔ながらの画面比になります。29型といった大型タイプも売られており私も以前持っていたのですが、非常に大きく重いため設置場所にも移動にも一苦労といった感じでした。

【モノラルテレビとステレオテレビのどちらを選ぶ?】

小サイズマルチテレビはモノラルであることが殆どです。モノラルでも音声多重放送の選択はチューナー側で行えるので特に問題はありませんが、「音声多重放送であることに気付かない場合がある」(注)という点では不便なので、予算に余裕があればステレオテレビを買った方が良いかと思います。

注;幾つかのチャンネルでは、音声の片側がテレビ放送のものでもう片方が別のラジオのものであるといった具合に、右と左で別々の音声が入っています。ステレオテレビだと、チャンネルをつけただけで音声多重放送だとすぐにわかるので便利です。

【フラット画面とテレビのサイズ】

海外モデルのマルチブラウン管テレビだと、今でも14型などは球面ブラウン管だったりするのではないかと思います。平らなフラット画面が良い人は、間違えて球面ブラウン管の方を買わないようご注意を

【ブラウン管テレビでは隠れてしまって見えない部分が?】

以前ブラウン管テレビと液晶テレビを併用していた際に気になったのですが、ブラウン管テレビだと映像の縁がテレビの枠に隠れるためか、画面の四辺が見られないという問題(実際の写真はこちら)があるようです。


■液晶マルチテレビ

以前はSD放送ばかりで海外衛星放送に大型液晶テレビというのはオーバースペックだったとも言えるのですが、近頃はハイビジョンHD放送やHDMI端子・コンポーネント端子装備の海外衛星チューナーも増え、ハイビジョンテレビの豊富な入力端子が生かされる環境が整ってきました。

とはいえ通常のSDデジタル海外衛星放送自体の解像度は低いままなので、高価なフルハイビジョン大型液晶テレビを買っただけでは、それに見合っただけの画質アップが実現されて高精細な画像は得られる訳ではないと考えた方が良いかと思います。

 →液晶マルチテレビの映りについて(実例写真つき)
 →マルチ方式のフルHD液晶とハーフHD液晶との比較・感想

私自身海外衛星HDTVチューナーを複数台使ってきましたが、DVB-S2対応のハイビジョンチューナーといっても画質にばらつきがあり、海外衛星フォーラム上では「どの機種はHD放送が特にきれいだがSD放送の方は並だ」、「あのチューナーはアップスケール機能にすぐれている」、「○○は1080p出力にすると白っぽくなる」といった具合に有名チューナーの画質とその特性について情報が盛んに交換されています。

手元にあるIPBox 9000HD(CubeRevo)はヨーロッパに出回っているHDTVチューナーの中で画質・音質が特に良いことで知られている機種ですが、確かにその他の製品と比べるとクリアで実感できるレベルでの差を感じます。

液晶マルチテレビを買う場合は、組み合わせるチューナーの質にも注意が必要かと思います。特にSD放送を576iのままで出力すると画像が粗く見えるので、720p等できれいに出力してくれるハイビジョンチューナーは必須アイテムかもしれません。

【HDTVハイビジョン海外衛星放送について】

アジア地域ではいくつかのHDハイビジョン放送が無料で受信できます。こちらは従来のDVBチューナーでは対応していないため、受信には新しいタイプのDVB-S2対応HDTV海外衛星チューナーが必要となります。

最近一部の大手メーカー製品にはハイビジョン非対応チューナーにもコンポーネント出力端子、更にはHDMI端子を備えているものがあり、Sビデオ出力に比べ遥かにクリアな映像・音声を得られるようになりました。

HDTVチューナーでなくてもコンポーネント端子やHDMI端子を備えたDVBチューナーを持っている場合は、S端子に戻りたくないと思えるような画質の違いを実感できると思いますので、買っても損は無いかもしれません。

【対応解像度について~1080pまで必要?】

海外衛星のハイビジョン放送は1080iまでなので、1080p対応のフルスペックハイビジョンテレビでなくとも十分かもしれません。

しかし海外衛星チューナーが多機能で1080pの動画ファイルを再生するといったマルチメディアファイルプレーヤー機能を備えている場合は、このハイビジョンテレビの1080p対応というのがフルに生かされるなど大いに関係してくるそうです。

【ハイビジョンではないただのアナログ液晶テレビに注意!】

以前はかなり多かったのが、実はアナログの液晶テレビです。海外モデルの液晶テレビには高画質放送に対応しているHD Readyモデル以外にも、画面は液晶でも実際にはHD放送に対応していないアナログなモデルが複数混じっていたので、今も一応注意が必要かもしれません。

この場合海外衛星HDTVチューナーの性能を活かせないので、スペック表でHD対応かどうかを良く確認します。


■映像入力端子の種類

【ブラウン管テレビの場合】

より鮮明な画質を得られるS端子は必須かと思います。最近は更に良好な画質を得られるコンポーネント端子がついたマルチテレビもありますので、チューナー側にコンポーネント出力端子があれば更にクリアな画像を得られます。

コンポジット端子だけの時に画質は正直本当にひどく、コンポーネント端子経由とでは文字の鮮明さが決定的に違います。画質にこだわるタイプの方であれば、入力端子の種類をしっかり確認することをお勧めします。

一部モデルにはSCART(スカート)端子が備わっている場合もあります。私も以前SCART端子装備テレビを持っていましたが、利用の機会は思ったよりも少なかった気がします。SCART端子は端子と色等の割当が会社によって異なるため、通常端子からの変換コネクタ使用も含めて、正常に画像・色が出なかったりと色々と面倒だったというのが正直な感想です。

【ハイビジョン対応液晶テレビの場合】

使用する海外衛星チューナーの種類にもよりますが、後からハイビジョン海外衛星チューナー等に買い換えることを考えて、HDMI入力端子まで揃っている物を買っておくと安心です。

私自身ここ最近はコンポーネント出力端子、HDMI端子を備えたチューナーしか買っていないのですが、画質の違いは小さいようですがHDMI端子に変えた時のアナログとデジタルの音質の違いはかなり明確に感じますので、より質の高い音声を海外衛星受信でも楽しみたい方にはHDMI端子が必須になってくるかと思います。

ちなみにDreamboxのハイビジョンチューナーにはHDMI端子がなくDVI出力のみのモデルがありますが、DM800HDとDM8000HDのDVI端子に関してはやや特殊で、付属のHDMI変換アダプタ経由で映像と音声の両方を取り出せるようになっているそうです。

DVI端子のみが不評だったのか後発のDreambox HDチューナーではHDMI端子に変更となっていますが、それ以外の会社のチューナーで仮にDVI端子が装備されている場合は、音声がどうなっているのかを確認した方が良いかもしれません。


■チューナーの映像方式変換機能を使って日本のテレビにそのまま接続

海外衛星チューナーにはアジア製を中心に「PAL→NTSC変換機能」内蔵タイプが多く見られます。チューナーによっては動きが多少カクカクするなど不便はありますが、最近は画質の安定した評価の高いチューナーも出回っています。

このチューナー内蔵機能を使えば日本のテレビでも海外衛星放送を視聴できます。マルチテレビを別途購入したくないという方は、PAL→NTSC方式変換機能のすぐれたチューナーを用意すればOKです。

我が家もPAL→NTSC変換後の映像が綺麗なチューナーを使って、日本のテレビでそのまま見ていたことがありました。性能の悪い映像方式変換機を別途用意して日本のテレビで見る時よりも手軽かつ画質も良好でした。

ただし、こうしたチューナーでは出荷当時PAL方式での出力に標準設定されていることが普通のため、買っても最初接続した時点では日本のテレビでは変な画像になって文字もぶれてしまい、NTSC方式で出力するよう設定するメニュー画面までたどり着けないこともあります。

日本のテレビで視聴することを前提にチューナーを買う際には、NTSC方式で出力するよう再設定した上で販売してくれるショップのお世話になることをお勧めします。


■映像方式変換機を通して日本のテレビに接続する

日本のテレビとビデオが使えるよう、PAL方式からNTSC方式に変えるための変換機を使うという手があります。ただ結構な値段がするので、マルチテレビを買った方が安上がりということもあると思います。

チューナーにおまけ的に内蔵されている簡易画像方式変換機能よりも動きが滑らかにはなりますが、上質な変換機を買わない場合には色あせや多少の不自然な動きが気になるかもしれません

ただ、これを使えば日本のテレビでも視聴できる、日本国内モデルのビデオデッキやその他録画用機器で録画できる、といった利点が生まれるので、必要に応じて購入することになるかと思います。

なお我が家もビデオ録画用に映像方式変換機を使用していた時期がありますが、安価なモデルを買ったこともあり画質と褪せきった色に我慢出来ず結局使わなくなってしまいました。今では高機能海外衛星ハイビジョンチューナーにHDDを取り付けて録画するという形式にシフトしています。


■パソコンのモニタを使う

テレビを別途買えない場合に、パソコンを利用するという選択肢もあります。ただテレビと違ってON/OFFが面倒な上にパソコンを他の用途に使っている時にはテレビを見られないので、外国語放送を見たい家族向けに設置する場合には不便なのでお勧め出来ません。

1)ビデオキャプチャ経由で映像を取り込む

ビデオキャプチャもしくはテレビキャプチャの映像入力端子、音声入力端子とサテライトチューナーとをつなぐという方法です。パソコンディスプレイはテレビと違って映像方式は関係ないので、映像方式変換機はいりません。

キャプチャとキャプチャソフトがPAL方式に対応していればメニュー画面で映像方式を選択後、問題なく再生・録画することができます。

スペック表に「NTSCのみ対応」と書かれていても実際にはソフト側でPAL方式を指定しトラブルなく視聴可能な例もあるようです。私のキャプチャもそのようにしてパソコンで海外衛星を見られるようになりました。

2)モニタを単独でマルチテレビとして使用する

最近は海外メーカーのパソコンモニタに最初から映像入力端子がついていることも多いようです。これまでにサムスンやDELLのような外国のメーカーがPAL方式再生可能なマルチテレビ機能を備えたモニタを販売しているのを見かけました。必要に応じてチェックしてみてはいかがでしょうか。

海外衛星チューナー(概要と選定基準の目安)

受信に使う機材
12 /13 2009
(4年半前の記事を大幅に修正・加筆しました)

海外衛星受信に欠かせない存在であるチューナーは海外衛星ライフを左右する重要な要素なので、いくつかの記事に分けて情報をまとめてみたいと思います。

【関連ページ】
 ・海外衛星チューナーのスペック表について(1)
 ・海外衛星チューナーのスペック表について(2)
 ・海外衛星HDTV(DVB-S2、ハイビジョン)チューナー
 ・Dreambox等の海外衛星Linuxチューナー

■現在はデジタル海外衛星放送時代

海外衛星受信に使うチューナーはアナログチューナーとデジタルチューナーとに大別されます。アナログチューナーで海外衛星のデジタルチューナーを見ることはできないので中古品を買う際には気を付ける必要があります。ただ、新品についてはまずデジタルチューナーなので特に気にする必要は無いと思います。

海外衛星がDVB方式のデジタル放送時代に入ってからしばらく経った現在ではハイビジョン放送であるDVB-S2方式のチャンネルが増えつつあります。チューナーを購入する場合、SD放送だけ見れれば良いのであれば従来のDVBチューナーを買えば大丈夫です。一方HD(ハイビジョン)放送も見たい場合はDVB-S2対応HDTVモデルを買う必要があります。

またこれとは別にMPEG-4放送も増えつつあります。これについてはたいていのDVB-S2(HDTV)チューナーが対応しているはずなので、スペック表を確認して「MPEG-4」と書いてあればそれを買えば大丈夫だと思います。

■チューナーの色々なモデル

デジタルチューナーは無料放送だけを受信するFTAモデルと、有料放送を視聴するためのカードを挿し込むスロットがついたCIモデルとに分かれます。更にHDDを搭載して録画を行える商品はPVRモデルと呼ばれています。

無料放送専用チューナー(FTAチューナー)では基本的にスクランブル有料放送は視聴できません。とはいえ外衛星放送の多くは無料(FTA=free to air)放送なので、有料放送に契約する予定が一切無ければFTAモデルを購入すれば十分です。

有料放送を視聴しスクランブルを解除する必要があれば、カード用のスロットがついたCI(=Common Interface)モデルを購入します。

【有料放送対応チューナーとスロット】

カード用スロットに関しては、薄っぺらいスマートカード(クレジットカードと同じような大きさ・厚さです)をそのまま挿し込める穴がついているチューナーと、スマートカードよりも厚い穴があいている場合とがあります。スマートカードがちょうど入るぐらいの穴であればそのまま挿し込むことができますが、後者のタイプではそれができません。

そのためそうしたスロットを通じてスマートカードを読み込ませるには、大きさを調整するアダプタ(CAM→詳しくはこちら)が必要になります。これは日本国内のショップで普通に売られているわけではないため、海外から通販で購入することが多いようです。

■価格

価格は性能・機能によってまちまちです。アンテナ回転機能の無い非常にシンプルな中国製FTAチューナーなら日本国内のヤフオクなら1万円以下でも買えますが、普通欧州辺りの相場では大手メーカーのFTAチューナーが2万円弱、CIモデルが2万円台、普通のHDTVチューナーが3万円前後、PVRモデルで2基チューナーを搭載できるHDTVチューナーが5~6万円、DREAMBOXの最上級ツインチューナーモデルが13万円前後、といった感じでグレード分けできるように思います。

■購入場所

国内の海外衛星専門小売店では韓国や中国の有名メーカー製チューナーが売られています。価格は割高ながら、サポートを継続して受けられる、故障時に対応して貰える等の利点があります。私もこれまで数回チューナーが壊れましたが、販売店さんに送り返して修理可能・不可の判断をお願いできるなど大変良くしていただきました。

安い中国製チューナーはオークションにて入手可能です。継続サポートが必要無く、故障時にそのまま買い換えても構わないようであれば、廉価モデルを最初のチューナーとして選ぶのも良いかもしれません。

■選定の基準

チューナーは感度が悪いとブロックノイズがすぐに出ますし、使い勝手が悪いと衛星のサーチ作業で難儀します。海外衛星が初めてだと後から色々困ってチューナーを買い換えたくなる場合も出てしまうので、以下を参考に自分が欲しいチューナーがどんなタイプなのかを検討されてみてはいかがでしょうか。

●製造地について

私はこれまで複数台のチューナーを使ってきましたが、機能・操作性・品質の総合的な面において韓国の有名メーカー製チューナーが気に入っています。

日本で出回っている中国製については1~2万円台後半といった手を出し易い価格帯の物が中心であるように思います。廉価モデルでも画像変換機能等において優れた製品も見かけるのですが、スペック表を見たり実際に購入したりした範囲では、アンテナ回転制御や内蔵ソフトウェアの使い勝手に関して不便を感じるモデルもあるといった印象を持ちました。但しアンテナ駆動せず特定の衛星1個だけを受信する限りでは、シンプルな分バグも少なく初心者には優しいような気もします。

ちなみに海外衛星チューナーは台湾製も結構あります。Zinwell等世界規模で商品を売っているメーカーも見かけます。

ヨーロッパ系メーカーのモデルについてはPAL方式のみ対応だったり、NTSC方式への変換機能がついていなかったり、日本の電圧に対応していなかったりと、アジア地域での使用に向いていないケースがしばしばあるように思います。

ドイツや英国でメジャーなメーカーからも大変安定していて高機能な製品が複数出ているらしいのですが、NTSC放送への対応という点ではやはりアジアのメーカーが強い気がします。日本に持ち込む際は事前のスペック確認をお勧めします。

●対応電圧

日本国内で輸入販売されているチューナーの大半は対応している電圧に幅90~240Vといった感じでがあり、日本でもそのまま使えることが多いようです。

コンセントプラグ形状変換プラグが必要になっても、変圧器まで用意しなければいけないチューナーは日本でまず出回っていないと思います。110V~対応の製品でも、100Vの日本で使う分には特に不具合も起きない模様です。

●画像方式変換機能の有無と性能

海外で主流のPAL方式から日本のテレビで採用されているNTSC方式に変換する機能が備わっていると、マルチテレビを別途購入する必要が無いため大変便利です。

アジア製の海外衛星チューナーにはまず付いている機能ですが、その変換性能はまちまちのようです。カクカクが少なく色合いも綺麗な物から、視聴に耐えるとは言い難いレベルの物まで様々ですが、機能が優れている機種についてはウェブ上の掲示板等で情報がやり取りされていることもあります。気になる方は事前に検索で調べてみてはいかがでしょうか。

ちなみに欧州の製品だとNTSCの再生やPAL→NTSC変換が難しかったり単なる簡易機能に留まっている中途半端な物が多いので、個人通販の際は要注意です。

((普通の日本国内向けブラウン管テレビで海外衛星ハイビジョン放送))



映像方式変換機能のついたハイビジョン対応チューナーだと、普通のブラウン管テレビで海外衛星HD放送を見ることもできます。

1080i50の海外衛星HD放送をPAL→NTSC変換して日本国内向けのブラウン管SDテレビで映してみました。今回使用したのはAZBox HD Eliteですが、多少カクカクするものの色合いは綺麗で結構使えるのではないかと感じました。

●出力端子の種類

海外衛星チューナーにS端子さらにはコンポーネント端子やHDMI端子がついていると、SD放送でもよりクリアな画質で楽しむことができます。正直な所、コンポジット(黄・赤・白のケーブル)接続では映像・文字が不鮮明になってしまい勿体無いです。

最近はHDTV対応でなくてもコンポーネント端子やHDMI端子がついている製品も見かけるようになりました。HDTVチューナーでなくてもHDMI端子がついている場合はハイビジョン放送が見られると勘違いして間違えやすいので要注意です。

ちなみに光デジタル音声出力は角型の物が多いように思います。コンポに繋ぐとよりクリアなサウンドとなるため、海外衛星経由のデジタルラジオ放送を良く聴く場合、またそれらをパソコンやMDに録音したい場合に活躍してくれると思います。

●メニュー画面が使いやすい

操作のしやすさに直接関わってくる部分なので、購入前に操作画面のサンプル写真を見られるようであれば使用感を確めてみて下さい。特に周波数関連の入力とチャンネルサーチメニューの使い勝手は重要です。

チューナーを購入する際、取扱説明書のコピーやスクリーンショットを使った紹介を見られるようであれば事前に確認することをお勧めします。(大手メーカーであればPDFで取扱説明書を提供しています。)

●チャンネルお気に入り登録機能がついている

海外衛星はチャンネル数が多く1つの衛星でも100程度になることもあります。よく見るチャンネルを登録する機能がないと不便です。

お気に入り登録機能については複数のカテゴリが用意されており、更には自分でカテゴリを追加出来るタイプが大変便利です。ちなみに私のメインチューナーではChina、India、Russiaといった具合に局の国籍やジャンルで細かく分類し、選択する毎にアンテナ回転制御機能との連動でチャンネル・衛星が変更できるようにしています。

●受信した信号の強さとクオリティを示すカラーバーが表示される

受信している信号の強さとクオリティを示すカラーバーがそれぞれ1つずつ表示されないと、衛星に方向を合わせてロックした後で最高の受信状態に持ってくるように調整することができません。少ない機材で受信を試みる場合、このカラーバーがアンテナ調整の頼りになります。

バーが画面内で大きめに表示されるとアンテナ作業時に多少離れた場所からでも確認可能なので重宝します。

●受信感度

チューナーには受信感度といった性能差があるのですが、実際に私もそのような違いを実感したことがあります。

以前Intelsat-2(Intelsat-5の先代衛星)を160cmアンテナで受信していた時、BBC放送がギリギリで安定受信という状態でした。全く同じアンテナとLNBFから来ている同軸ケーブルに異なる3つのチューナーを取り付けてみると、あるチューナーでは安定受信でき、別のチューナーではクオリティレベル不足でブロックノイズが出てしまうといった違いが見られました。これについては実感として感じられる程の顕著な差だったりします。

大型アンテナが必要となるシグナルの弱い衛星に関しては切実な問題で、安定受信を希望する場合にはある程度予算をアップして性能・感度が高いと思われるチューナーを選択することをお勧めしたいと思います。

またSR値が2000台と極端に低いトラポン、またロシア系の放送に多い極端に高いSRだとうまく受信できるチューナーとそうでない物とに差が出てくるようです。私の使ってきた歴代チューナーの中にも低いトラポンが苦手な物は多く、チャンネルサーチをかけてもサーチ時間が足りずそのまま無視され「シグナルがありません」と表示が出てしまい困ることがありました。

これらのチューナーでは仮にSR値の低いトラポンを登録できても、チャンネルに合わせた際映像が出て来るまでに時間がかかったりするケースもあるようです。

購入前にこれらの情報を確認することは難しいのですが、ウェブ上の掲示板で「○○では安定受信、○○ではブロックノイズが出るようです」といった書き込みが見られることもありますので参考にされてはいかがでしょうか。

スペクトラムアナライザー(スペアナ)

受信に使う機材
12 /05 2009


海外衛星受信でスペクトラムアナライザー(スペアナ)を使うと、どの周波数でどれだけ強いシグナルが受信できているかを調べることができます。

私も簡易スペアナを持っているのですが、NTT中継回線の混信が酷かった時にはどれだけ強い混信が起きているのか一目瞭然で、「混信を避けるには海外衛星アンテナを家のどの場所に置けば良いか?」という混信調査をするのにも大変役に立ちました。

今でも回転アンテナの調整には必ずスペアナを使っています。「モーター制御でアンテナを東から西へと回して波形変化を観察し、一定方角の衛星でスペアナの波が総じて小さくなってしまう場合にはデクリネーション角等を直す」といった具合に作業を進められるので重宝しています。

サテライトファインダーよりも遥かに高額な機器ですが、近頃ネットオークションで良く見かける簡易スペアナは海外衛星チューナー並の価格で買えるようです。

ちなみに皆さんのサイトやブログを拝見していると、電子工作ができる方向けに販売されている「GigaSt」を使っておられるケースが多いように思いました。

DisEqCスイッチ

受信に使う機材
11 /27 2009
海外衛星のアンテナ切替で良く使われているのがDisEqC(ダイセック)スイッチです。

2つ以上のアンテナ/LNBを1台のチューナーで受信するのに大変便利で、LNB用に2個の端子がある2×1タイプ、LNB用端子が4個の4×1タイプが色々なショップで入手可能です。



LNB用の端子がある製品では、1番目・2番目・3番目・4番目のLNBがそれぞれ「1・2・3・4」もしくは「A・B・C・D」と表示されています。

チューナーの設定画面ではこれに従い、何番の端子に接続したLNBでどの衛星を受信しているのかを正しく入力します。


サテライトファインダー

受信に使う機材
11 /27 2009


衛星探し用グッズとして良く売られているのが、上のような形状の「サテライトファインダー」です。

LNBとチューナーとの間に入れて使うと、何らかの衛星のシグナルをキャッチした際にブザーが鳴り、信号強度をレベルメーターが知らせてくれる仕組みです。

私も海外衛星受信を始めた頃に買ったのですが、当時はNTT中継回線の混信がひどくアンテナをどこに向けてもサテライトファインダーが常に反応しピーピー鳴り続けるので、結局使わずにそのまま押入れで眠ることとなってしまいました(^_^;)

海外衛星チューナー用0/22KHzトーンスイッチ

受信に使う機材
11 /27 2009
海外衛星受信ではDiSEqCスイッチに次いで使用頻度が高いのではないかと思われる切替スイッチが「0/22KHzトーンスイッチ」です。



0/22KHzは同軸ケーブルを通じて切替信号を送るようになっており、海外衛星チューナーのLNB設定画面で「ON」もしくは「OFF」に設定します。

■Kuバンド受信用Universal LNBFとの組み合わせ問題

0/22KHzスイッチは、9750/10600MHzを必要に応じて切り替えるようなKuバンド受信用ユニバーサル(Universal)LNBFとの組み合わせはできないので要注意です。

間違って組み合わせるとユニバーサルLNBFの周波数の切替ができなくなります。


■DisEqCスイッチとの前後関係

普通の0/22KHzスイッチはDisEqC1.0/1.1スイッチよりもチューナー側に持ってくると、チューナーの設定画面通りの切替動作をしません。

「DisEqCスイッチとの組み合わせも心配無し!」と売っている0/22KHzスイッチ以外は上記のトラブルが起きる可能性が非常に高いので、その場合は「海外衛星チューナー→DisEqCスイッチ→0/22KHzスイッチ」の順番で接続します。

海外衛星チューナー用の0/12V切替スイッチ

受信に使う機材
11 /27 2009
実際に使う人は殆どいないようですが、今回必要があって0/12V切替スイッチを「あい工房」さんから購入しました。



手持ちのチューナーにある0/12Vスイッチ用端子は全て映像・音声出力である黄・赤・白のコンポジットケーブル用と同じRCAケーブルタイプなので、元々リード線が出ている状態で販売されている物にRCA端子を取り付けた上で発送していただきました。


■RCA端子との接続

海外のショップを見ているとまれに0/12V切替スイッチを売っていることがあるのですが、最初からRCA端子付きで売っているものもあれば、リード線がついていない商品もあったりとまちまちでした。

私が買ったスイッチもチューナーの0/12V用アウトプット形状に合わせて各自加工する必要のあるタイプでしたが、過去に一度もリード線とRCAケーブルとを繋ぐ作業をしたことがないので、あい工房さんに色々と教えていただきました。



RCAケーブルを分解してみると、芯線と外皮線に分かれていて、通常は芯線(+)、外皮線(-)[(GND)]となっているとのこと。

海外のフォーラムを見るとこうして自分で要らないRCAケーブルをむいて芯線と外皮線に分けて、0/12Vスイッチと接続している人もいるようでした。

あい工房さんの製品は赤いリード線が[+12]、黒いリード線が[0]となっているので、RCAケーブルの芯線(+)と赤いリード線、外皮線(-)と黒いリード線とをそれぞれ結んでかしめれば良いとのことでした。

なお、RCAコネクタのみを用意するのであれば、芯線(+)を取り付ける位置に赤いリード線を、外皮線(GND)を取り付ける位置に黒いリード線をはんだ付けする形となるそうです。


■0/12Vスイッチの使い方

0/12Vスイッチはチューナーの対応メニューでON、OFF設定をすることで切替に使う電圧をコントロールする仕組みです。

チューナーとLNBのそれぞれから来る同軸ケーブルを接続しますが、これとは別に0/12Vスイッチから生えている線を通して別途コントロール用の電圧をかけるという方式が、他の0/22KHzスイッチやDiSEqCスイッチとは異なっています。

→関連ページ;0/12V切替~1台のチューナーでC・Ku回転アンテナ2基を制御

[英文検索用~0/12V switch for a satellite receiver] Some satellite receivers have 0/12V outputs on their back panels, and you can switch between two LNBs by sending switching voltages via 0/12V wires. (Unlike 0/22KHz and DiSEqC switches, the switching voltages aren't sent via a coaxial cable.)
In most cases, a 0/12V output has the just same shape as RCA (cinch) outputs, so a extra video (yellow) or sound cable (red/white) may be used to connect a 0/12V switch to a receiver.
You'll find two wires if you cut a cinch cable as shown in the above picture. The RCA cable is split into a core (+) and a clad (-)/(GND), and you have to connect the former(+) to a (+)wire/connector, and the latter(-)/(GND) to a (-)/(GND)wire/connector of the switch.

分配器

受信に使う機材
11 /27 2009
通常1個のLNBに1台のチューナーを接続しますが、同一のLNBから複数台のチューナーに接続するには
 ・コネクタが複数備え付けられたLNBFを買う
 ・分配器を使って2つ、4つ・・・に分ける
といった方法があります。

我が家には複数の海外衛星チューナーがあるため、以前から2分配器を使っていました。

最初は近所の電器店で購入したYAGI製品(電流通過形DC15V・0.8A)と使用しており特に問題も無いように思えたのですが、海外衛星チューナーではLNB偏波切替の際に流れる18Vという数V分のオーバーが気になり、結局海外衛星ショップにて24VまでOKという2分配器に買い換えました。



私が使っている分配器は入力(IN)がLNB側で、出力(OUT)がチューナー側という表示になっています。

ちなみに分配器には
 ・全ての出力端子から通電する分配器(全通電型)
 ・特定の出力端子のみ通電する分配器(1通電型)
とがあるらしいのですが、私の場合はどちらのチューナーからも同じようにLNBに給電したいので全通電型を購入しています。

LNBF ( LNBとフィードホーン )

受信に使う機材
06 /26 2009
(4年前に書いたものを加筆・修正。更に2009/10に図表を追加するなどしました。)

■LNBFとその種類

LNBFは本来LNBとフィードホーンという別々の機材が最初から一体になっているものです。筒の部分がフィードホーン、その先についている箱状の機材がLNBになります。最近はこうした一体型のLNBFが主流です。

LNBFはディッシュの焦点に集まった放送の電波を拾って低い周波数に変換(=コンバーター)しチューナーに送るという大変重要な役割を果たします。そのため価格は高めでも性能の良いものを使うことが望まれます。

●Cバンド受信用LNBF


CバンドLNBF

Cバンドアンテナ用LNBFは大きめです。LNB部の形状や取り付け位置は製品により多少異なりますが、機能は全て同じです。

一般にCバンド放送受信はセンターフィード(プライムフォーカス)アンテナで行われるため、付属してくるスケラーリングもセンターフィードアンテナ用となっています。オフセットアンテナでCバンドを受信する場合には形状の異なるスケラーリングを別途用意します。

●Kuバンド受信用LNBF

 
Kuバンド LNBF(オフセットアンテナ用);オフセット用なのでホーンの先がプリン型です

Kuバンド用LNBFはCバンド用に比べるとかなり小さく、形もだいぶ違います。受信できる周波数の域がCバンドとは全く異なりますので、購入の際は間違えないようにして下さい。

Kuバンド用LNBFは首の部分の太さが2種類あります。写真左のように細いものは、取り付けの際にプラスチック製のドーナツ型アダプタを巻きつけて太さを調整するようになっています。なお首部分の太さですが、標準サイズが23mmと40mmの2種類あるといった形になっているようです。

なおKuバンド放送は一般に楕円状のオフセットアンテナで受信するため、LNBFはオフセット用の形状で最初から売られていることが普通です。


■Kuバンド放送をセンターフィードアンテナで受信するには

実際の手順や使用する器具の詳細については「160cmアンテナ、Universal LNB、プライムフォーカス用フィードホーンでKuバンド受信」をご覧下さい。

●使用するLNBとフィードホーンは?

低仰角衛星を狙うためもしくはシグナルが弱い衛星を受信するためには国内で出回っている120cm以下のオフセットアンテナでは間に合わず、代わりに150cm以上のサイズが入手可能なセンターフィード(プライムフォーカス)アンテナを使用することになります。

その際には通常販売されているオフセット用のLNBFでは望まれる効率で受信することができないので、専用のLNBやフィードホーンを揃える必要があります。

そうしたLNBやフィードホーンは国内だとアサヒサテライトコンテックWARDが取り扱っている模様です。海外だと英国、ドイツといったヨーロッパ系のオンライン通販で手軽に個人輸入することができます。

●フィードホーンを固定するホルダーの形は?

 
写真左;ホーン部分の外径が40mmタイプのLNBF用ホルダー一例
写真右;ホーン部分の外径が23mmタイプのLNBF用ホルダー一例

大抵はおむすび状の三角形をした金属プレートですが、時々円形の製品も見かけます。

ホルダーはフィードホーン部分が太い方の製品のみに対応した物、もしくは細い方のホーンにのみ対応している物、また固定用金具を2種類備えて両方の太さのホーンに対応させた物など形状はまちまちです。

こうしたプレートは海外の衛星グッズ通販ショップの他、日本国内のネットオークションで入手が可能です。また、センターフィード(プライムフォーカス)アンテナのKuバンド受信対応モデルだとホルダーを最初から付属している場合があります。


■偏波電圧切り替え

海外衛星放送にはいくつかの偏波がありますが、中でも一般的なのは垂直(V)と水平(H)の偏波です。

よく売られているLNBFはひとつで垂直と水平の偏波を受信することができます。チューナーから送られる電圧の違いによって、それぞれを区別することから「偏波電圧切り替え○○」という名称が使われています。



LNBFの中をのぞいて見ると、小さな針(プローブ)が2本出ているのがわかります。この針は偏波を垂直と水平とで切り替えるのに使われます。

非常に大切な部分であり、海外の英語サイトによると手の脂で狂う可能性があるため素手で触れるなどしてはいけないとのことです。


■偏波角(へんぱかく)

LNBFを取り付ける際には偏波角の数値に従って時計方向もしくは反時計方向にねじって傾けます。この偏波角については別ページの記事をご参照ください

●LNBFの中をのぞいて針の位置を確認

LNBFを傾ける時に気をつけなければならないのは、「偏波角がゼロの時/LNBFを傾ける必要はない=同軸ケーブルを挿すコネクタが真下に来る」というわけではないということです。偏波角ゼロというのはコネクタの位置ではなくLNBFの筒の中に入っている針(プローブ)の位置と関係しています。



海外の解説サイトを回ってみると、偏波角0°の時の垂直用プローブの位置は上図のようになる、と説明されています。

●自分の製品について確認してみる

【SPL-2210の例】



これは以前LNBFを買った時に付いてきた説明書です。偏波角0°時のLNBF角度について説明されていました。



上の説明書にある製品を実際に裏側から見た様子です。垂直(V)偏波用の針が垂直に、水平(H)偏波用の針が水平に来ている時が「偏波角=0°」になります。

この製品では同軸ケーブルを挿すコネクタが真下に来ていない、ちょっと中途半端な位置で垂直プローブが垂直になるような形状をしているので、慣れるまで少々時間がかかりました。

【Turbo-1800の例】



こちらの製品には偏波角0°の際の位置を示すガイドがついていました。この写真はちょうど当地で真南に来る衛星を受信している状態で撮影したものです。

【その他のCバンド用LNBFについて】

針の位置と同軸ケーブルコネクタとの位置関係は商品によって異なります。説明書がついてくればそれを見ればよいのですが、もし何も無くてプローブのどちら垂直用なのか見ても分からなければ以下の方法を試してみて下さい。

01)LNBFの中をのぞいてみる。
02)2本ある針のうちの片方が垂直になるようLNBFを固定。
03)その位置を仮に偏波角0°の時の基準位置と考える。
04)受信したい衛星に合わせて偏波角の分ひねってみる。
05)アンテナ調整をして映像が出れば正解の取り付け位置。

06)駄目なら、試しにチューナーの周波数設定で水平/垂直の偏波「H」/「V」のみ逆にしてみた上でアンテナ調整をしてみる。
07)調べた偏波角の分だけLNBFをひねった時、チューナーでの偏波設定をH(水平)←→V(垂直)にひっくり返さないと受信出来ない場合は誤った取り付け位置。
08)最初とは別のもう1本の針の方が垂直になるよう移動。これを偏波角0°の時の基準位置を考え直す。
09)受信したい衛星に合わせて改めて偏波角の分だけLNBFをひねる。
10)チューナーで本来のH/V偏波設定のまま受信できるようになれば、無事に正解の取り付け位置に修正できたことに。

【Kuバンド用LNBFの例】

KuバンドLNBFは、Cバンド用LNBFよりも偏波角0°時の位置を示す矢印ガイドがついていることが多く、またガイドが無くてもLNBFのコネクタ部分を単純に真下に向ければ良いようなシンプルで分かりやすい製品が多いように思います。



これは当地で真南に来る衛星を受信している状態で撮影したものです。この製品では偏波角調整に役立つ目印が刻まれている他、コネクタを真下に向ければ良いなど、偏波角0°時の位置にセットするのが大変簡単です。


■プラスチックの蓋

LNBFの筒部分にはプラスチックの蓋がついています。これはつけたままで受信します。

オフセットアンテナにCバンドLNBFをつけた場合、角度によっては蓋が無いとフィードホーン内部に雨が溜まって受信不能になることがあります。我が家では強風でいつの間にか蓋が外れ、更に雨が入り込んで受信できなくなったという体験をしました。

英語の海外衛星情報サイトによると、このプラスチック蓋は内部のプローブを湿気から守る役目があるので、必要な時以外には取り外すべきではないとのことです。

物によっては蓋が緩いLNBFもあるので、私の場合はビニールテープ等で外れないよう固定しています。

虎太郎

デジタル機器の好きな元文系人間です。PC自作機の手入れや新たな趣味の開拓ができない中で大型メッシュアンテナまで破損し、そのまま海外衛星受信は引退へ。

最近はPCやタブレットを使ったインターネットTV、STBのリモート視聴機能、Slingboxによるライブストリーミング、Android TV Boxにて国内外の放送を楽しんでいます。

所有Slingbox;
PRO-HD、350、500、M2

所有PC;
Windows 10、Windows 7

所有タブレット;
iPad、Android、Windows 10

その他;
Apple TV、Android TV Box

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