【手順3】自宅でも受信かどうかを調べる&アンテナサイズの決定
受信作業の手順
(4年前に書いたものを加筆・修正しました)
■衛星への見通しを確保する
衛星を受信する際、アンテナから衛星を見渡す方角に障害物があってはいけません。
例えば衛星「Chinasat-6B」の受信を検討する際には、衛星位置計算ツールで得られた方角といった上記の数値を考慮に入れ、その方角を見渡し障害物が無いことをまず確認しなければならないわけです。
全部とまで行かなくとも一部が木の枝やビルで隠れていると、電波が遮られてその分シグナルをロスした状態で受信することになってしまいます。そうなると150cmのパラボラを買っても120cm相当のシグナルしか得られず安定受信できないといったトラブルが起きたりすることになります。
北半球にある日本では真北周辺に衛星が来ることはないので、とりあえず北西~真北~北東にはどんな障害物があっても関係ないので大丈夫です。問題になるのは東~南~西の方角です。
■用意するアンテナのサイズを決める
海外衛星放送は衛星ごとに(さらに周波数ごとに)シグナルの強さが異なっているため、受信したいのがどの衛星かによって用意するアンテナの大きさも変わってきます。
そこでアンテナを買う前に必要なサイズがどのぐらいなのかを調べます。足りないサイズのパラボラアンテナを買ってしまうと結局買い換えることになるので必ずチェックして下さい。
【Lyngsatのフットプリント図からアンテナサイズを確認するには】
Lyngast衛星情報一覧表の「Beam」欄をクリックするとフットプリントが表示されます。フットプリント図からはその衛星がどのような形で地域をカバーしているのか、またどの場所でシグナルがどれだけの強さで受信出来るかを知ることが可能です。
受信地域の信号強度がどの数値で示されているのかを図から読み取り、表の欄で必要アンテナサイズを調べます。
但しあくまでこれは参考値であり、実際に用意すべきアンテナの大きさよりも一回り大きい/小さいサイズが表示されていることもありますので、アンテナを買う前にネットで推奨アンテナサイズを調べるようにして下さい。
・アンテナの種類とサイズ決定方法等についての詳細→「パラボラアンテナ」
【当方で確認した必要アンテナサイズ】
「受信状況の記録」に関東地方の我が家で受信した各衛星の周波数別受信状況を記録してあります。そちらにどの衛星がどのぐらいのアンテナで受信できるのかをメモしてありますので良ければご覧下さい。
ちなみに2009年6月現在、当方での受信状況を基にした各衛星Cバンド放送のお勧めアンテナサイズを別ページにまとめました。[ 詳しくはこちら ]
■障害物が見える場合は
受信したい衛星の方向にごくわずかな障害物しか見えなければ受信できますが、大半が木やビルに隠れてしまうと受信できません。
障害物が自宅にある樹木であるようなケースでは、刈り取ることが許されれば受信状態を改善することができます。あと冬に確認しても葉をつけて枝が伸びればまた衛星の方向が隠れますから、寒い時期に受信を開始する場合は春・夏のことを想定した上で設置場所を決めるようにします。
当地では仰角が約6.5度という超低仰角のIntelsat-7/10を受信している時のアンテナ位置です。我が家では低仰角衛星受信のため上の階にある見晴らしの良い場所にアンテナを設置していますが、もしこれが地面の上だったらろくに受信できていなかったと思われます。
特に西の端に見える衛星は見上げる角度(=仰角)が大変低いので大変です。庭に設置すると殆どのシグナルが遮られてしまう可能性が大きいので、上の階にアンテナを置くといったまた別の苦労も出てきます。
■設置場所が適切かどうかを確めてみる
1)実際にアンテナが置けるか
○設置に適した場所
海外衛星アンテナはKuバンド用であっても国内BS/CS用のそれよりも大型で、強風時に風圧で設置部分に多大な力がかかるという危険性があります。
耐久性のある土台にしっかり取り付けるという意味では、庭や敷地の空き部分、コンクリガレージの隅といった場所が適しています。
逆に瓦屋根の上、家庭用ベランダの金属製手すり、物置の屋根、集合住宅のベランダといった場所は避けた方が良いように思います。というのも、取り付け時に危険が伴う、故障時に上って点検するのが難しい、強風時に構造物ごともげる、アンテナが外れて階下に落下し建物破損や怪我を引き起こす可能性があるためです。
○屋根やテラスに設置する場合
海外衛星アンテナは90cmスチール製ソリッドアンテナでも数十kg、180cmにもなれば40~50kgとなるため、木造住宅の屋根への取り付けは危険だと考えた方が良いのだとか。
コンクリ住宅の場合はテラスや屋根が平らで海外衛星アンテナが設置しやすくなっていますが、階段がないと機材を吊り上げることになるので大変です。また上の階と言う事で、強風によるポールからの脱落やアンテナ分解・飛散による損害事故に対する注意が必要になります。
○ベランダ
十分な厚さのあるコンクリ製手すりに太いボルトを打ち込みポールを固定する場合にはベランダ設置も可能ですが、細い鉄材を組んで足場に木の板を引いてある様なベランダの場合は、暴風時にCバンドアンテナが受ける風圧に耐えられない可能性も高いかと思います。
台一体型据え置き型アンテナを重石で固定する場合には設置面に常時相当重量の負担がかかるので木製/薄金属板足場の住宅では要注意です。
また対象アンテナサイズが異なるので、75cm級以上が普通である海外衛星アンテナをBS/CS用ベランダ取り付け金具を代用して設置することは出来ません。無理して取り付けると暴風時に外れて大変危険です。
○土の上
庭や畑に設置する場合は土が軟らかすぎない場所もしくは叩いて固めた地面を選びます。そうしないと降雨で緩むことによりすぐにアンテナが傾いてきます。
2)現場までアンテナを移動できるか
海外衛星用パラボラアンテナは大きいので、設置場所だけでなくそこに至るまでの経路でパラボラがつっかかって通らなくなってしまうような廊下や階段がないかどうかも確認してください。
特に分割できない1枚もののディッシュを買う場合には注意が必要です。
■周囲の了承も忘れずに
大型アンテナを設置する場合は、周囲の了承も重要です。
1)一戸建ての場合
一戸建ての場合は、他の家族メンバーに説明をした上でOKを貰う必要があると思います。家族は巨大パラボラがあるという生活を具体的にはイメージしづらいので、後から「えーっ、何これ!」と言われる可能性もあります。
「隣家と離れていて、家に暮らしているのも自分だけ」ということであれば構わないのですが、同居している家族がいる場合は設置場所について予め相談しておきます。
アンテナは大型のものになると日差しをもろに遮るので、相談も無く設置すると「部屋が暗い」、「洗濯物が乾かない」といったクレームが後から出てくるかもしれません。隣家が接近している場合も、日照を遮ったりすることの無い様に設置します。
我が家の場合、以下のようなクレームが家族から出ました。
・家の見た目が悪くなった
・日当たりが悪くなった
・近所の手前、巨大パラボラは恥ずかしい
・怪しい電波を受信しているとか言われそうだ
実際のところ巨大パラボラはとても目立つので、家族は勿論のこと、設置する本人もある程度の勇気は必要かもしれません。
私の場合、大型アンテナを抱えて作業をしていたところ、窓を開けて覗き見しているご近所と視線が合ってしまうことが何度かありました。大学生前後の若者だと笑いながらこちらを見物していることもあり、かなり恥ずかしい気分にさせられることもしばしばです・・・。
2)集合住宅
集合住宅の場合はアンテナ設置や布団干しといった色々なルールがあるはずなので、十分に確認したうえでアンテナを設置して下さい。
ネット上では“マンションの規約に反して勝手に大きなパラボラを設置している住人がいる”といった苦情、“マンションのベランダから大きなパラボラが突き出していて、台風で落ちたり、落下による重症事故が起きないか心配でたまらない”といった不安を訴える書き込みを時々見かけます。
マンションや公団住宅にルールがある場合、海外衛星を見たいからといって、ルールに反して無断で巨大なCバンドアンテナを設置することは絶対に止めた方が良いと思います。
普段はそのような気配を見せないパラボラも本当に突風で吹き飛ばされます。私も一度重石を外しての作業中に吹いた突風に150cmメッシュアンテナを数m飛ばされ、あわや階下に落下寸前という目に遭ったことがあります。
なので「まさか飛ばないだろう。バラバラにならないだろう。」という期待をして簡単な設備だけで集合住宅に海外衛星アンテナを置くのはかなり危ない気がします。
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■衛星への見通しを確保する
衛星を受信する際、アンテナから衛星を見渡す方角に障害物があってはいけません。
例えば衛星「Chinasat-6B」の受信を検討する際には、衛星位置計算ツールで得られた方角といった上記の数値を考慮に入れ、その方角を見渡し障害物が無いことをまず確認しなければならないわけです。
全部とまで行かなくとも一部が木の枝やビルで隠れていると、電波が遮られてその分シグナルをロスした状態で受信することになってしまいます。そうなると150cmのパラボラを買っても120cm相当のシグナルしか得られず安定受信できないといったトラブルが起きたりすることになります。
北半球にある日本では真北周辺に衛星が来ることはないので、とりあえず北西~真北~北東にはどんな障害物があっても関係ないので大丈夫です。問題になるのは東~南~西の方角です。
■用意するアンテナのサイズを決める
海外衛星放送は衛星ごとに(さらに周波数ごとに)シグナルの強さが異なっているため、受信したいのがどの衛星かによって用意するアンテナの大きさも変わってきます。
そこでアンテナを買う前に必要なサイズがどのぐらいなのかを調べます。足りないサイズのパラボラアンテナを買ってしまうと結局買い換えることになるので必ずチェックして下さい。
【Lyngsatのフットプリント図からアンテナサイズを確認するには】
Lyngast衛星情報一覧表の「Beam」欄をクリックするとフットプリントが表示されます。フットプリント図からはその衛星がどのような形で地域をカバーしているのか、またどの場所でシグナルがどれだけの強さで受信出来るかを知ることが可能です。
受信地域の信号強度がどの数値で示されているのかを図から読み取り、表の欄で必要アンテナサイズを調べます。
但しあくまでこれは参考値であり、実際に用意すべきアンテナの大きさよりも一回り大きい/小さいサイズが表示されていることもありますので、アンテナを買う前にネットで推奨アンテナサイズを調べるようにして下さい。
・アンテナの種類とサイズ決定方法等についての詳細→「パラボラアンテナ」
【当方で確認した必要アンテナサイズ】
「受信状況の記録」に関東地方の我が家で受信した各衛星の周波数別受信状況を記録してあります。そちらにどの衛星がどのぐらいのアンテナで受信できるのかをメモしてありますので良ければご覧下さい。
ちなみに2009年6月現在、当方での受信状況を基にした各衛星Cバンド放送のお勧めアンテナサイズを別ページにまとめました。[ 詳しくはこちら ]
■障害物が見える場合は
受信したい衛星の方向にごくわずかな障害物しか見えなければ受信できますが、大半が木やビルに隠れてしまうと受信できません。
障害物が自宅にある樹木であるようなケースでは、刈り取ることが許されれば受信状態を改善することができます。あと冬に確認しても葉をつけて枝が伸びればまた衛星の方向が隠れますから、寒い時期に受信を開始する場合は春・夏のことを想定した上で設置場所を決めるようにします。
当地では仰角が約6.5度という超低仰角のIntelsat-7/10を受信している時のアンテナ位置です。我が家では低仰角衛星受信のため上の階にある見晴らしの良い場所にアンテナを設置していますが、もしこれが地面の上だったらろくに受信できていなかったと思われます。
特に西の端に見える衛星は見上げる角度(=仰角)が大変低いので大変です。庭に設置すると殆どのシグナルが遮られてしまう可能性が大きいので、上の階にアンテナを置くといったまた別の苦労も出てきます。
■設置場所が適切かどうかを確めてみる
1)実際にアンテナが置けるか
○設置に適した場所
海外衛星アンテナはKuバンド用であっても国内BS/CS用のそれよりも大型で、強風時に風圧で設置部分に多大な力がかかるという危険性があります。
耐久性のある土台にしっかり取り付けるという意味では、庭や敷地の空き部分、コンクリガレージの隅といった場所が適しています。
逆に瓦屋根の上、家庭用ベランダの金属製手すり、物置の屋根、集合住宅のベランダといった場所は避けた方が良いように思います。というのも、取り付け時に危険が伴う、故障時に上って点検するのが難しい、強風時に構造物ごともげる、アンテナが外れて階下に落下し建物破損や怪我を引き起こす可能性があるためです。
○屋根やテラスに設置する場合
海外衛星アンテナは90cmスチール製ソリッドアンテナでも数十kg、180cmにもなれば40~50kgとなるため、木造住宅の屋根への取り付けは危険だと考えた方が良いのだとか。
コンクリ住宅の場合はテラスや屋根が平らで海外衛星アンテナが設置しやすくなっていますが、階段がないと機材を吊り上げることになるので大変です。また上の階と言う事で、強風によるポールからの脱落やアンテナ分解・飛散による損害事故に対する注意が必要になります。
○ベランダ
十分な厚さのあるコンクリ製手すりに太いボルトを打ち込みポールを固定する場合にはベランダ設置も可能ですが、細い鉄材を組んで足場に木の板を引いてある様なベランダの場合は、暴風時にCバンドアンテナが受ける風圧に耐えられない可能性も高いかと思います。
台一体型据え置き型アンテナを重石で固定する場合には設置面に常時相当重量の負担がかかるので木製/薄金属板足場の住宅では要注意です。
また対象アンテナサイズが異なるので、75cm級以上が普通である海外衛星アンテナをBS/CS用ベランダ取り付け金具を代用して設置することは出来ません。無理して取り付けると暴風時に外れて大変危険です。
○土の上
庭や畑に設置する場合は土が軟らかすぎない場所もしくは叩いて固めた地面を選びます。そうしないと降雨で緩むことによりすぐにアンテナが傾いてきます。
2)現場までアンテナを移動できるか
海外衛星用パラボラアンテナは大きいので、設置場所だけでなくそこに至るまでの経路でパラボラがつっかかって通らなくなってしまうような廊下や階段がないかどうかも確認してください。
特に分割できない1枚もののディッシュを買う場合には注意が必要です。
■周囲の了承も忘れずに
大型アンテナを設置する場合は、周囲の了承も重要です。
1)一戸建ての場合
一戸建ての場合は、他の家族メンバーに説明をした上でOKを貰う必要があると思います。家族は巨大パラボラがあるという生活を具体的にはイメージしづらいので、後から「えーっ、何これ!」と言われる可能性もあります。
「隣家と離れていて、家に暮らしているのも自分だけ」ということであれば構わないのですが、同居している家族がいる場合は設置場所について予め相談しておきます。
アンテナは大型のものになると日差しをもろに遮るので、相談も無く設置すると「部屋が暗い」、「洗濯物が乾かない」といったクレームが後から出てくるかもしれません。隣家が接近している場合も、日照を遮ったりすることの無い様に設置します。
我が家の場合、以下のようなクレームが家族から出ました。
・家の見た目が悪くなった
・日当たりが悪くなった
・近所の手前、巨大パラボラは恥ずかしい
・怪しい電波を受信しているとか言われそうだ
実際のところ巨大パラボラはとても目立つので、家族は勿論のこと、設置する本人もある程度の勇気は必要かもしれません。
私の場合、大型アンテナを抱えて作業をしていたところ、窓を開けて覗き見しているご近所と視線が合ってしまうことが何度かありました。大学生前後の若者だと笑いながらこちらを見物していることもあり、かなり恥ずかしい気分にさせられることもしばしばです・・・。
2)集合住宅
集合住宅の場合はアンテナ設置や布団干しといった色々なルールがあるはずなので、十分に確認したうえでアンテナを設置して下さい。
ネット上では“マンションの規約に反して勝手に大きなパラボラを設置している住人がいる”といった苦情、“マンションのベランダから大きなパラボラが突き出していて、台風で落ちたり、落下による重症事故が起きないか心配でたまらない”といった不安を訴える書き込みを時々見かけます。
マンションや公団住宅にルールがある場合、海外衛星を見たいからといって、ルールに反して無断で巨大なCバンドアンテナを設置することは絶対に止めた方が良いと思います。
普段はそのような気配を見せないパラボラも本当に突風で吹き飛ばされます。私も一度重石を外しての作業中に吹いた突風に150cmメッシュアンテナを数m飛ばされ、あわや階下に落下寸前という目に遭ったことがあります。
なので「まさか飛ばないだろう。バラバラにならないだろう。」という期待をして簡単な設備だけで集合住宅に海外衛星アンテナを置くのはかなり危ない気がします。
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