【手順11】最良の受信状態にするため微調整を行う

受信作業の手順
11 /07 2009
(4年前に書いたものを加筆・修正しました)

■計測器を使ってより正確な方位角・仰角に近づける



大きなパラボラアンテナだと数mm位置・方向が違っただけでチューナーが反応しなくなることも珍しくありません

LNBFの正確な位置調整やパラボラアンテナ仰角・方位角の調整があまりにアバウトだと、いざパラボラを動かして衛星をキャッチしようとしても十分に受信状況が上がらず、アンテナ調整時間を長くしてしまう一因にもなります。

こうしたロスを防ぐため、アンテナ調整を始める前になるべく正確な数値に従ってパラボラアンテナやLNBFの位置をセットしておくことをお勧めします。


■仰角

一番わかりやすいのは仰角です。衛星位置計算ソフト等で出した仰角に近い状態を予め作っておきその近辺を中心にして衛星を探していくようにいけば、じきにアンテナは正しい方向に向くことになるかと思います。

この時アンテナが傾いた状態で設置されていると調整が難航する原因になります。計測器を使いながら地面を正確な水平に直したり、アンテナポールを垂直に立て直すなどします。

手製の道具でも構わないので、アンテナを定位置に立てたら仰角(=アンテナを空に浮かぶ衛星へ向かって傾ける角度)を衛星位置計算ツールで出た通りの角度に合わせます。

DIYショップ等で手に入る仰角計を使う場合は、パラボラの局面にセットして数値を読むのではなく、仰角を正しく測れるようなパーツ位置の平面を選びます。


■偏波角に従ってLNBFを正確な位置に



LNBFは算出された偏波角に従った度数分だけねじったかどうかを確認します。

このねじり角度は多少ずれていても大体の位置にあれば衛星を捕捉できますが、 大きく角度が異なればパラボラが全く正しい方向を向いていても、チューナー側で「衛星にロックしました」という反応が起きなくなります。

自分のLNBFでどの状態が偏波角0になるのか分からない場合は、丸いプラスチックの蓋を外して針(プローブ)の位置を確認して下さい。

実際にアンテナ位置調整が最終段階に入ったら、パラボラが衛星の位置にすっかり向いたことを確認した後、LNBFを数mmずつ動かしてベストポイントを探します。


■F/D値



アンテナを組み立てる際、パラボラの焦点からスケラーリングまでの距離が設計とは違った位置に来てしまうと、LNBFに刻まれたF/D数値の位置でセットしても場所がずれてしまっているためにそのままでは良好に受信できないことがあります

アンテナを組み立て終わったら、設計書通りの焦点距離になっているか確認みてください。仮に数値が設計通りだとしても、アンテナ調整の最終段階でLNBFを手前/奥にずらしてどの位置が一番シグナルレベルが上昇するかチェックしてみることをお勧めします。


■方位角

方位磁石が受信地点で正確に作動する場合は、この行為磁石で受信sに帯衛星が位置する大体の方角を調べ、アンテナ調整作業中にも一目で見てわかりやすいよう地面に棒等を置いておきます。それを目印にアンテナを回すと大きなアンテナを抱えながら小さな針を見なくて済むので作業が楽になります。

方位磁石が狂ってしまう場合は、こちらを読んでみて下さい。

方位がはっきりしない場合でも、先に上で示した仰角、偏波角、F/D値等を正しくセットした上で上下左右にチビチビとアンテナを振っていれば衛星が見つかるかと思います。


■少しずつ動かす

チューナーの反応時間を考え、アンテナは少しずつ動かします。数mm動かしたらチューナーの反応を待ち、しばらく経っても駄目ならまた動かしてください。

「一瞬映った!」という場合は、後からより細かい調整を行えるよう、その位置に油性ペンで印をつけておいてください。ここで欲が出てベストポイントを探そうと更にアンテナを回すと、せっかく映ったポイントまで見失って作業が振り出しに戻ってしまいます。

そしてその時点でアンテナを仮固定し、ネジを多少締めてあまり動かないようにし、その周辺の場所でベストポイントを探っていきます。土台にも重石をいくつか載せて仮固定し、ガタガタ動かしているうちにディッシュが衛星の方向から大きくずれないようにします


■最終微調整

アンテナの位置、LNBFの位置をほぼベストポイントに持ってきたら、チューナーを見ながら幾つかの周波数で受信状況を調べます。

信号やクオリティレベルが非常に高いチャンネルでの微調整はシグナルバーがほぼ満タン表示され続けて表示に変動が少なく難しいため、アンテナ方向をずらすとすぐにシグナルバーの数値がガタ落ちするなど反応が顕著に出やすいシグナルの弱めな周波数のチャンネルで数値の変化を見ながらLNBFやアンテナの仰角を数mm単位で細かく調整します。

目当てのチャンネルを中心にシグナルの強さとクオリティを確認し、それらの状態がベストになる場所を探します。

面倒臭ければ、見たいチャンネルがブロックノイズ無しで映る状態まで来た時点でストップして構いません。ただ更に粘るとより多くのチャンネルが良好な状態で受信できることもありますので、別の日にゆっくり再調整してみる価値はあります。

ただし油性マジックで印をつけるなりしておかないと、場所を忘れて元に戻せなくなるのでご注意を。

ちなみに、全てのトランスポンダー(周波数)が同じアンテナ位置で受信のベストポイントになる(=衛星にロックしたらどのチャンネルもまんべんなく良好な状態で受信できる)というわけではなく、実際にはムラがあるようです。「あちらのトラポンについてはベストポイントでもこちらは逆に駄目になる」というケースについては他所でも何度か書き込みを見ました。

我が家ではよく利用する2つのトラポンをベストに受信できるポイントが相当ずれているため、双方においてシグナル強が弱くなってしまうもののどちらかに合わせると片方が見えなくなるので、中間ポイントにアンテナ位置を持って来ざるを得ないという問題が起きたことがあります。


■おまけ~LNBFの局発周波数

受信の最終微調整で必ずしもやらなければならない訳ではないのですが、チューナーの設定画面においてLNBFの局発周波数を手動で入力することがあります。

LNBFには例えばCバンドLNBFだと5150MHzといった局発周波数がありますが、実際にはLNBFによって数MHzの誤差が出てきます。受信状態を更に改善にするには、チューナー画面でLNBFの周波数を書き換え「5148MHz」「5152MHz」といった具合に誤差を加味した値にします。

様々な値を入力し、最もシグナルレベルとクオリティ値が良好な周波数があれば、それをLNBFの実際の局発周波数とします。


------------------------------------------
<<前の手順に戻る | 手順目次に戻る | 次の手順を見る>>

虎太郎

デジタル機器の好きな元文系人間です。家のあれこれで機材のメンテナンス継続が難しくなり海外衛星受信やPC自作は引退。

最近はPCやタブレットを使ったインターネットTV、STBのリモート視聴機能、Slingboxによるライブストリーミング、Android TV Boxにて国内外の放送を楽しんでいます。

所有Slingbox;
PRO-HD、350、500、M2

所有PC;
Windows 10、Windows 7

所有タブレット;
iPad、Android、Windows 10

その他;
Apple TV、Android TV Box