海外衛星チューナーのスペック表について(1)

海外衛星チューナー
12 /13 2009
海外衛星チューナーを買う際、メーカーによって提供されているスペック一覧表とPDFファイルによる取扱説明書、そしてウェブ上で交換されているユーザー達の感想・意見が購入判断基準になるかと思います。

「受信に使う機材>海外衛星チューナー(概要と選定基準の目安)」ではデジタルチューナーの大まかな分類と購入の参考基準を記しただけだったので、ここでは補記としてスペック表についてまとめてみたいと思います。

■対応方式

●DVB-S;通常の海外衛星SD放送
従来の海外衛星チューナーはこのDVBのみ対応の「DVBチューナー」です。DVBのみモデルを買うとHD放送やMPEG-4放送が再生できません。
●DVB-S2;海外衛星のHD(ハイビジョン放送)
近頃増えてきたHDTV対応モデルです。対応チューナーにはHDMI端子もしくはDVI端子、光デジタル音声出力端子等が備わっています。
●MPEG-4
通常の海外衛星放送はSD・HD共にMPEG-2方式ですが、MPEG-4方式の放送というのがぼちぼち増えてきています。これを見るには対応チューナーが必要ですが、普通はHDTV対応チューナーのスペック表にMPEG-4(H.264)と併記されていて、どちらも再生可能であることが多い気がします。
ちなみに手持ちのDVB-S2チューナーでMPEG-4放送をまともに認識・スキャンできない物があります。同じAZBox HDシリーズでもEliteではMPEG-4のHD放送を復調できるのにPremium+ではシグナルバー反応も出ない、全く同じハードウェアに入っているDGSファームウェアでは認識されないTPが別のEnigma2 PKTでは復調できる、といった具合に当方でも微妙なラインで可否が分かれている状況です。
スペック表にMPEG-4と書かれていても、実際には問題が生じるケースもあるので事前にネットで調べることをお勧めします。バグ情報として報告されているかもしれません。
●DVB-T;ヨーロッパの地デジ
チューナーを2個搭載可能なコンボモデルではDVB-S2がメインで2個目が地デジ(terrestrial)かケーブル(cable)のチューナーといった形が主流です。但しDVB-Tは日本の方式と違うので、DVB-S2+DVB-Tのコンボチューナーを買っても日本の地デジは見られません
●ISDB-T;ブラジル等の地デジ
日本もISDB-Tですが、海外衛星チューナーの増設用スロット向けに用意されているISDB-Tチューナーはブラジル等日本方式を採用する南米向けに作られた物なので要注意です。
●DVB-C;ヨーロッパのケーブルテレビ
こちらも上と同じです。有名な海外衛星チューナーだとコンボモデルではない単体チューナーで、衛星用の「S」でなく型番違いで「C」とついたCATV専用モデルがあったりするので、間違いには要注意です。

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■解像度と映像方式

HDTVチューナーは通常のSD方式海外衛星DVBチューナーとは違いPALの576iやNTSCの480i以外にも色々な解像度に対応しています。

●1080p
1080iとは違いプログレッシブ出力でより高精細な画質を出力できることをうたった上級モデルチューナーが対応していますが、1080pに対応したハイビジョンテレビでないと見られません。現行では海外衛星放送に元から1080pの放送はないと思うので、そんなにこだわる必要はないのかもしれません。
●1080i
海外衛星HDTVチューナーが対応しているのがこの解像度です。1080iにはPALが50、NTSCが60というフィールドレート(フレームレートだと25と30の違い?)に関する表示の違いがあり、欧州モデルチューナーの説明書を読んだりするとPALの1080i50にしか対応していないことが分かるケースもあります。日本やアメリカのHD海外衛星放送も見たい場合は1080iの50と60双方に対応したチューナーを選ぶようにします。そうでないとカクカクしてまともに絵が動きません。
●720p
1080iよりも1個下の解像度としてスペック表に出ていることが普通です。チューナーによっては1080iと同じくPALの720p50しか選べない作りになっているものもあるようです。私が持っているIPBox 9000HD Plusは当初PAL-SD、720p50、1808i50しか選択肢がありませんでした。(その後ファームウェア更新によりNTSCにも対応しました。)
●576p
SD放送をプログレッシブ出力する場合の設定値です。4:3のSD放送でもチューナー側で出力を576pに固定してコンポーネント接続をすると、インターレースにしか対応していないブラウン管テレビで変な風に画像が出ると思うので要注意です。
●576i
PAL方式SD放送の一般的な解像度設定です。従来のブラウン管マルチテレビでも大丈夫なのがこの値です。
●480p、480i
NTSCSD放送の解像度設定です。480pは上の576p、480i(日本のブラウン管テレビでもOK)は576iにそれぞれ相当します。スペック表にこの480p、480iが記されていればNTSC方式に対応しているという意味になります。また逆にスペック表に「PALとNTSCに対応」と書いてあっても一方で「対応解像度1080i、720p、576p」としか表記されていない場合、普通は「576p(480p)」の意味でNTSC放送になると576pが480pに切り替わると考えれば問題ないと思います。

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■DiSEqC対応状況

DiSEqCは多衛星受信に関連した部分になります。将来複数の衛星を受信したいと考えている人は、チューナーがどこまで対応しているのか、更にDiSEqC設定メニューがどれだけ使い勝手が良いのかを確認した上で機種を選定することになります。

●DiSEqC1.0
DiSEqC1.0対応スイッチを使うと、4つのLNBからのシグナルを1台のチューナーで切り替えて受信することができます。
●DiSEqC1.1
バージョン1.0よりも進化して、16個までのLNBをまとめて1台のチューナーで受信できます。1.0切替スイッチ設定で4端子確保し、それぞれに4端子備えた1.1設定の切替スイッチを接続すれば4×4=16個のLNBと接続できるという仕組みです。
●DiSEqC1.2
アンテナ駆動に使うモーターを制御できるシステムです。120cmアンテナまでに対応しているような小型のH-Hマウントと違い、4芯ケーブルと36Vポジショナーを経由して制御するアクチュエーターや大型H-HマウントはこのDiSEqC1.2が無いとチューナーからは制御できません。特に欧州にはDiSEqC1.2機能が削られてUSALS(DiSEqC1.3)だけ装備しているチューナーが結構あるので要注意です。
●DiSEqC1.3(USALS)
受信地の緯度・経度、衛星の東経/西経を入力すると、自動でアンテナ駆動モーターが動くという便利なシステムです。ただし対応しているのは小型H-Hマウントになります。チューナーによっては位置を入力してアンテナが動いた後で東西に微調整できるメニューを用意していることがあります。この微調整機能が無いとH-Hマウントが多少ずれている時に信号レベルが落ちた位置でアンテナが止まってしまうので不便です。

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スペック表について(2)を読む >>

虎太郎

デジタル機器の好きな元文系人間です。家のあれこれで機材のメンテナンス継続が難しくなり海外衛星受信やPC自作は引退。

最近はPCやタブレットを使ったインターネットTV、STBのリモート視聴機能、Slingboxによるライブストリーミング、Android TV Boxにて国内外の放送を楽しんでいます。

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