【手順4】NTT中継回線の混信を調べる(現在は不要)

受信作業の手順
11 /07 2009
NTT中継回線の利用状況変更により海外衛星受信における混信も大幅に緩和されました。現在はこの混信確認作業をしなくても大丈夫だと思います。


■NTT中継回線の混信とは?

NTT中継回線はアナログテレビ放送の映像を都会と地方で共有するために利用されてきたリレー式の中継回線です。

テレビ放送には欠かせない存在だったのですが、その一方で海外衛星のCバンド放送と使用周波数帯が重なるため、海外衛星の受信が困難になるという弊害を引き起こしていました。 [ 混信についての詳細はこちら ]


■混信調査の意味

そのため以前は海外衛星の受信を始める前にNTT中継回線の混信を調べることが多く行われていました。というのも、東京タワーのある都心やNTTマイクロ回線の中継所が近い場所に住んでいる場合は、せっかく機材を揃えても受信したい衛星にことごとく混信が起こって何も映らず、お金の無駄になる恐れがあったためです。


■混信調査の仕方

NTT中継回線は海外衛星のアナログ放送と同じ機材で受信できました。

海外衛星よりもシグナルが遥かに強いので混信がひどい時にはディッシュさえ必要なく、海外衛星アナログチューナーと接続したLNBFを空中にかざすだけで映像が出るといった状態でした。



中継回線用として知られる複数の周波数に合わせると、カラーバーやテレビ番組などが見られました。そしてこれが見られれば海外衛星にも混信があるということを意味していた訳です。

特に、受信したい海外衛星チャンネルの周波数にセットして見事に中継回線の映像が出れば、海外衛星のチャンネルをそのまま受信するのは困難であるため、ノッチフィルターを使うなど色々な工夫が必要でした。


■混信を防ぐには

NTT中継回線の混信がある状態で海外衛星の受信を試みる場合の対処として、以下の様な方法が知られていました。

これらに関しては、NTT中継回線の影響を気にしなくても良くなった現在でも、何らかの混信に悩まされている場合に活用できる方法となるかもしれません。

1)アンテナを低い場所に置く

NTT中継回線の混信がアンテナを低い場所に置くほど弱めることができるということで、地面に設置する方法。

1)建物・障害物に囲まれた場所を探す

障害物が周囲にあればNTT中継回線の混信をさえぎってくれるので、衛星の方向だけが開けていて後は障害物に囲まれているようなポイントを選ぶという方法。

我が家でも以前この方法が劇的な効果を生んだことがありました。

3)ノッチフィルターをはさむ

特定の周波数でシグナルを弱めるノッチフィルター(例えばこちら)を使うという方法もあったのですが、混信波と海外衛星チャンネルの周波数とが完全に一致してしまうと共倒れになって一緒にシグナルが弱くなるという欠点があり、コツが必要でした。


------------------------------------------
<<前の手順に戻る | 手順目次に戻る | 次の手順を見る>>

【手順3】自宅でも受信かどうかを調べる&アンテナサイズの決定

受信作業の手順
11 /07 2009
(4年前に書いたものを加筆・修正しました)

■衛星への見通しを確保する

衛星を受信する際、アンテナから衛星を見渡す方角に障害物があってはいけません



例えば衛星「Chinasat-6B」の受信を検討する際には、衛星位置計算ツールで得られた方角といった上記の数値を考慮に入れ、その方角を見渡し障害物が無いことをまず確認しなければならないわけです。



全部とまで行かなくとも一部が木の枝やビルで隠れていると、電波が遮られてその分シグナルをロスした状態で受信することになってしまいます。そうなると150cmのパラボラを買っても120cm相当のシグナルしか得られず安定受信できないといったトラブルが起きたりすることになります。

北半球にある日本では真北周辺に衛星が来ることはないので、とりあえず北西~真北~北東にはどんな障害物があっても関係ないので大丈夫です。問題になるのは東~南~西の方角です。


■用意するアンテナのサイズを決める

海外衛星放送は衛星ごとに(さらに周波数ごとに)シグナルの強さが異なっているため、受信したいのがどの衛星かによって用意するアンテナの大きさも変わってきます

そこでアンテナを買う前に必要なサイズがどのぐらいなのかを調べます。足りないサイズのパラボラアンテナを買ってしまうと結局買い換えることになるので必ずチェックして下さい。

【Lyngsatのフットプリント図からアンテナサイズを確認するには】

Lyngast衛星情報一覧表の「Beam」欄をクリックするとフットプリントが表示されます。フットプリント図からはその衛星がどのような形で地域をカバーしているのか、またどの場所でシグナルがどれだけの強さで受信出来るかを知ることが可能です。



受信地域の信号強度がどの数値で示されているのかを図から読み取り、表の欄で必要アンテナサイズを調べます。

但しあくまでこれは参考値であり、実際に用意すべきアンテナの大きさよりも一回り大きい/小さいサイズが表示されていることもありますので、アンテナを買う前にネットで推奨アンテナサイズを調べるようにして下さい。

 ・アンテナの種類とサイズ決定方法等についての詳細→「パラボラアンテナ」

【当方で確認した必要アンテナサイズ】

受信状況の記録」に関東地方の我が家で受信した各衛星の周波数別受信状況を記録してあります。そちらにどの衛星がどのぐらいのアンテナで受信できるのかをメモしてありますので良ければご覧下さい。

ちなみに2009年6月現在、当方での受信状況を基にした各衛星Cバンド放送のお勧めアンテナサイズを別ページにまとめました。[ 詳しくはこちら ]


■障害物が見える場合は

受信したい衛星の方向にごくわずかな障害物しか見えなければ受信できますが、大半が木やビルに隠れてしまうと受信できません。

障害物が自宅にある樹木であるようなケースでは、刈り取ることが許されれば受信状態を改善することができます。あと冬に確認しても葉をつけて枝が伸びればまた衛星の方向が隠れますから、寒い時期に受信を開始する場合は春・夏のことを想定した上で設置場所を決めるようにします。

 
当地では仰角が約6.5度という超低仰角のIntelsat-7/10を受信している時のアンテナ位置です。我が家では低仰角衛星受信のため上の階にある見晴らしの良い場所にアンテナを設置していますが、もしこれが地面の上だったらろくに受信できていなかったと思われます。

特に西の端に見える衛星は見上げる角度(=仰角)が大変低いので大変です。庭に設置すると殆どのシグナルが遮られてしまう可能性が大きいので、上の階にアンテナを置くといったまた別の苦労も出てきます。


■設置場所が適切かどうかを確めてみる

1)実際にアンテナが置けるか

○設置に適した場所

海外衛星アンテナはKuバンド用であっても国内BS/CS用のそれよりも大型で、強風時に風圧で設置部分に多大な力がかかるという危険性があります。

耐久性のある土台にしっかり取り付けるという意味では、庭や敷地の空き部分、コンクリガレージの隅といった場所が適しています。

逆に瓦屋根の上、家庭用ベランダの金属製手すり、物置の屋根、集合住宅のベランダといった場所は避けた方が良いように思います。というのも、取り付け時に危険が伴う、故障時に上って点検するのが難しい、強風時に構造物ごともげる、アンテナが外れて階下に落下し建物破損や怪我を引き起こす可能性があるためです。

○屋根やテラスに設置する場合

海外衛星アンテナは90cmスチール製ソリッドアンテナでも数十kg、180cmにもなれば40~50kgとなるため、木造住宅の屋根への取り付けは危険だと考えた方が良いのだとか。

コンクリ住宅の場合はテラスや屋根が平らで海外衛星アンテナが設置しやすくなっていますが、階段がないと機材を吊り上げることになるので大変です。また上の階と言う事で、強風によるポールからの脱落やアンテナ分解・飛散による損害事故に対する注意が必要になります。

○ベランダ

十分な厚さのあるコンクリ製手すりに太いボルトを打ち込みポールを固定する場合にはベランダ設置も可能ですが、細い鉄材を組んで足場に木の板を引いてある様なベランダの場合は、暴風時にCバンドアンテナが受ける風圧に耐えられない可能性も高いかと思います。

台一体型据え置き型アンテナを重石で固定する場合には設置面に常時相当重量の負担がかかるので木製/薄金属板足場の住宅では要注意です。

また対象アンテナサイズが異なるので、75cm級以上が普通である海外衛星アンテナをBS/CS用ベランダ取り付け金具を代用して設置することは出来ません。無理して取り付けると暴風時に外れて大変危険です。

○土の上

庭や畑に設置する場合は土が軟らかすぎない場所もしくは叩いて固めた地面を選びます。そうしないと降雨で緩むことによりすぐにアンテナが傾いてきます。

2)現場までアンテナを移動できるか

海外衛星用パラボラアンテナは大きいので、設置場所だけでなくそこに至るまでの経路でパラボラがつっかかって通らなくなってしまうような廊下や階段がないかどうかも確認してください。

特に分割できない1枚もののディッシュを買う場合には注意が必要です。


■周囲の了承も忘れずに

大型アンテナを設置する場合は、周囲の了承も重要です。

1)一戸建ての場合

一戸建ての場合は、他の家族メンバーに説明をした上でOKを貰う必要があると思います。家族は巨大パラボラがあるという生活を具体的にはイメージしづらいので、後から「えーっ、何これ!」と言われる可能性もあります。

「隣家と離れていて、家に暮らしているのも自分だけ」ということであれば構わないのですが、同居している家族がいる場合は設置場所について予め相談しておきます。

アンテナは大型のものになると日差しをもろに遮るので、相談も無く設置すると「部屋が暗い」、「洗濯物が乾かない」といったクレームが後から出てくるかもしれません。隣家が接近している場合も、日照を遮ったりすることの無い様に設置します。

我が家の場合、以下のようなクレームが家族から出ました。

 ・家の見た目が悪くなった
 ・日当たりが悪くなった
 ・近所の手前、巨大パラボラは恥ずかしい
 ・怪しい電波を受信しているとか言われそうだ

実際のところ巨大パラボラはとても目立つので、家族は勿論のこと、設置する本人もある程度の勇気は必要かもしれません。

私の場合、大型アンテナを抱えて作業をしていたところ、窓を開けて覗き見しているご近所と視線が合ってしまうことが何度かありました。大学生前後の若者だと笑いながらこちらを見物していることもあり、かなり恥ずかしい気分にさせられることもしばしばです・・・。

2)集合住宅

集合住宅の場合はアンテナ設置や布団干しといった色々なルールがあるはずなので、十分に確認したうえでアンテナを設置して下さい。

ネット上では“マンションの規約に反して勝手に大きなパラボラを設置している住人がいる”といった苦情、“マンションのベランダから大きなパラボラが突き出していて、台風で落ちたり、落下による重症事故が起きないか心配でたまらない”といった不安を訴える書き込みを時々見かけます。

マンションや公団住宅にルールがある場合、海外衛星を見たいからといって、ルールに反して無断で巨大なCバンドアンテナを設置することは絶対に止めた方が良いと思います。

普段はそのような気配を見せないパラボラも本当に突風で吹き飛ばされます。私も一度重石を外しての作業中に吹いた突風に150cmメッシュアンテナを数m飛ばされ、あわや階下に落下寸前という目に遭ったことがあります。

なので「まさか飛ばないだろう。バラバラにならないだろう。」という期待をして簡単な設備だけで集合住宅に海外衛星アンテナを置くのはかなり危ない気がします。


------------------------------------------
<<前の手順に戻る | 手順目次に戻る | 次の手順を見る>>

【手順2】自分の地域で衛星がどの方向に来るのかを調べる

受信作業の手順
11 /07 2009
(4年前に書いたものを加筆・修正しました)

Lyngsat」にある衛星リストでは、衛星が空のどこにあるか(=方位)を示しています。

実際には空に浮かぶ衛星と受信地点との位置関係によって、その衛星の見える方角や角度が変わってきます。日本でも北海道と沖縄では同じ衛星でも見える方角や角度が違ってくるので、自分が受信する地域における実際の位置を確認する必要があります。


■衛星位置計算用オンラインツールを使って

これについては横浜の会社「ハマーズ」が提供しているウェブページ「衛星位置計算表」が有名だと思います。

受信を希望する衛星をクリックして受信都市を選択、計算実行ボタンを押すと衛星の方角などを表示してくれます。



この計算表を使うと、例えば東京で衛星「Chinasat-6B」を受信する場合、衛星が方位磁石の目盛約225度という南西方向にあり、地上から仰ぎ見た時の角度(=仰角)は約41度になることがわかります。

その他の衛星位置・方角計算ツール;
 ・WARD「衛星別方位と仰角
 ・WARD「Sat Az/El Finder


■専用ソフトを使って

海外衛星を受信する際、「SMWLink」という数値計算ソフトを利用すると便利です。これはスウェーデンのサイトが配布している無料ソフトなのですが、さまざまな数値を求めることができるため初心者から上級者まで広く使えます。

受信地点の緯度・経度、衛星の位置が判明しているならばこのソフトを使ってみてください。LNBFを時計回り/反時計回りにどれだけ回せばよいかという偏波角の数値も出るので重宝します。



アジアをカバーする衛星の殆どはLyngsatの表で方位が「XXX.XE」と示されており、数字の後に来る「E」が「East(東)」と意味します。

「SMWLink」では衛星の方位に「E」がついている場合、衛星位置の欄をマイナス記号無しで記入するようになっています。例えば「169.0E」とLyngsatに書かれていれば「169」と入力します。

左上の「緯度」、「経度」欄は受信地点の緯度と経度を調べて入力します。


■Googleマップを組み込んだツールで衛星の方向と偏波角を確認

TELE-satellite International Magazineの2008年3月号でGoogleマップと組み合わせた衛星位置確認ツール「Satellite Dish Pointer」が紹介されていました。





このツールでは地図の赤いマークを受信地点に設定、受信したい衛星の名称を一覧から選択すると直線で近隣ランドマークのどこにアンテナを向ければよいのかが分かる他、方位角・仰角・偏波角が一覧表示されるという仕組みになっています。

検索・表示共に日本語対応で丁目・番・号単位まで絞り込む事が出来ます。



粗い写真しか用意されておらず自宅がズームされた航空写真を見ながら衛星位置を確認することは出来ない場合には、「Map」画面に切り替えることで自宅周辺を拡大した地図を見ることが可能になります。

方位磁石が狂って使えない場所でのアンテナ調整に便利かと思います。


------------------------------------------
<<前の手順に戻る | 手順目次に戻る | 次の手順を見る>>

【手順1】日本で受信できる外国語衛星放送の調べ方

受信作業の手順
11 /07 2009
(4年前に書いたものを加筆・修正しました)

■衛星情報のサイト

日本で受信できる海外衛星放送はチャンネルリストを提供する大御所「Lyngsat」で知ることができます。まずはこのサイトを見てみて下さい。



トップページに周波数リストへのリンクが置かれています。日本はアジア地域にあるので、ここでは赤丸で囲んだ「Asia」の部分をクリックします。


■アジアで受信できる衛星の一覧



この一覧では左から(1)空に並んでいる衛星の方位、(2)衛星の名前、(3)チャンネルデータの更新日時というふうに並んでいます。


■国別一覧から送信衛星を探す場合は

Lyngsatの無料(FTA=Free to Air)放送国別一覧表から送信衛星を調べるという方法もあります。

 ・無料海外衛星テレビ放送 国別一覧表トップページ
 ・無料海外衛星ラジオ放送 国別一覧表トップページ

特定のチャンネルが全世界でどの衛星を通じて送信されているかがリストアップされているので、この中から日本をカバーしている衛星を探します。


■アジア地域で受信できる衛星の詳細情報を調べる

ここでは試しに衛星の名前をクリックして周波数やチャンネルの情報を見ることにします。数値の見方については別のページで説明しますので、取り敢えずここでは「こんな感じです」という触り部分だけお話しておきます。



【周波数】

「3986」というのは周波数で、3986MHz(メガヘルツ)の数字部分だけを記したものです。ちなみにこの周波数帯はCバンド放送になります。

【放送方式】

チャンネル名の右に記されている「DVB」というのは放送の方式を示します。以前は「PAL」などと映像方式が書かれていればアナログ放送、「DVB」と書かれている場合はデジタル放送、という区別でしたが、今はデジタル放送ばかりになりました。

【スクランブル放送とFTA(無料)放送】

ページで色分け方法の説明がなされていますが、上の画像では無料放送とスクランブルがかかった有料放送とが混じっているのがわかるでしょうか?スクランブル放送のところには「PowerVu」と記されていますが、これはスクランブルをかけるための方式の種類です。

スクランブル放送を受信するには視聴契約や会社から送られてきたカードを挿入できるチューナーが必要になるので、通常は無料放送だけを狙います。


■日本をカバーしているのかどうか実際に確かめる

1)フットプリントと受信の可・不可

アジア地域向け衛星チャンネルのリストに載っていても、衛星の電波が日本を含む地域に届いていなければ受信は不可能です。

この受信可能地域をビームの強さごとに等高線のようなラインで示したものを「フットプリント」と呼ぶのですが、お目当ての放送のフットプリント内に日本が含まれていれば受信OKということになります。

圏外にあっても近場であればよりアンテナサイズを大きくすることで受信は可能になります。しかしこのようなケースでは通常よりも遥かに大きなサイズのアンテナを用意しなければならず、フットプリントから外れるに従って特大サイズになり、やがては受信自体がほぼ不可能になるので、一般受信者には難しいといえます。

フットプリント内にあれば通常直径120cmのアンテナで十分なKuバンド放送でも、外れた場所で受信するとなると直径180cm~のアンテナが必要になってしまうといったケースも、上の理由によります。

2)同じ衛星でも受信できるチャンネルとそうでないチャンネルが・・・

例に挙げた衛星リストにある「BBC World」がどの地域で受信できるのかをチェックしてみることにします。まずは「Pacific」というカバー範囲を示すリンクをクリックしてみます。



「HORIZONTAL」「VERTICAL」というのはビームの種類で、それぞれ「水平」「垂直」と訳されます。Lyngsatの表では略して「H」「V」と書かれています。「BBC World」の欄には「3986H」とありますが、これは「周波数3986MHz、水平偏波」のビームであるという意味です。

フットプリントでは日本がばっちり含まれています。これでこの放送がアジアの日本でも受信できるということが確認できました。

同じ日本でも地域によってはビームが強いために受信が容易な地域と、逆にそうでない地域とに分かれます。必要なアンテナのサイズも、電波の強さの等高線であるフットプリントと受信地点との関係から決まります


■おまけ~海外で日本の衛星は受信できる?

海外で日本のBSやCSを受信したいと思われる方は少なくないようです。

これについては上で紹介したフットプリントの問題が関わってきます。どの衛星もビームが届く範囲というものに限度があり、フットプリントから受信可能な地域を知ることができます。

別のページでも紹介した通り、海外衛星にはCバンド放送とKuバンド放送があるのですが、日本のBS放送やCS放送は「アンテナサイズは小さくて済むが、受信できる範囲が狭い」Kuバンド放送となっています。

しかも文化摩擦の問題があるため、ビームが届く範囲は最初から日本だけに限定した形で設定されているといいます。実際に衛星情報サイトを見ると、日本向け放送のチャンネル欄でビーム種別が「Japan」 Beam、つまり「日本ビーム」となっているのが分かります。

ごく近い地域ならば通常よりも大きなサイズのパラボラアンテナを用意することで何とか受信できるのですが、台湾そして上海・・・といった具合でフットプリントから遠ざかるごとにアンテナサイズは巨大化し、個人での受信は非現実的になっていきます。

以上はアジアの話で、ヨーロッパやアメリカともなれば衛星が水平線の下に来てしまうため受信の可能性自体がゼロになります。

衛星が水平線の上に来る(=物理的に衛星の受信が可能)のか、それとも水平線の下に来る(=物理的に衛星の受信が不可能)のかを調べるにはLyngsatのトラッカーが便利です。地図上の地点をクリックし、その地点で衛星が水平線下に来てしまうと「Below the horizon」なるメッセージが表示されます。

日本の衛星とその名称については以下の通りです。フットプリントについての詳細は、JSAT社のHPをご覧下さい。

 ・BSデジタル
 ・SKY PerfecTV!110
 ・SKY PerfecTV! 衛星(1)/(2)


------------------------------------------
<<前の手順に戻る | 手順目次に戻る | 次の手順を見る>>

海外衛星受信作業 手順一覧

受信作業の手順
11 /07 2009
■海外衛星アンテナ設置・調整作業の流れ
01)日本で受信できる衛星・チャンネルを調べる
02)自分の地域における衛星の位置・方向を調べる
03)自宅でも受信かどうかを調べる&アンテナサイズの決定
04)中継回線の混信調査(現在は不要)
05)機材を購入する
06)アンテナを組み立てLNBFを固定する
07)チャンネル情報の確認とチューナーのセット
08)チューナーとLNBFを接続する
09)テレビをONにしチューナーのチャンネルサーチ画面を出す
10)アンテナを動かして衛星に合わせる
11)最良の受信状態にするため微調整を行う
12)アンテナを固定しLNBFコネクタに防水処理をする
13)同軸ケーブルの引き込み穴をふさぐ
14)部屋に戻ってチャンネルを全てサーチさせる
15)受信作業完了
16)アフターケアとしてその後定期的にネジの緩みを確認する

■メジャーな応用機材の設置方法
 ・1枚のアンテナと複数LNBFで複数衛星受信
 ・小型アンテナ用 DiSEqC制御H-Hマウント //
   >> DiSEqC1.2制御のチューナー設定方法
   >> USALS制御の チューナー設定方法
 ・ポーラーマウントアンテナへのアクチュエーター取り付け ///
 ・大型アンテナ用 36V H-Hマウント //



■作業に適した日

風の無い晴天の日がお勧めです。風があると大型アンテナが倒壊したり人ごとよろめき倒れる危険性があります。

曇りでも構いませんが、太陽が出ていると方位を確認できて便利です。 雨の日は同軸ケーブルをコネクタに挿す、防水テープを巻くといった作業をするのには向いていないと思います。Kuバンドでは雨が降るとで受信状況悪化するので、雨量によってはアンテナ調整がうまくいかない可能性もあります。


■作業に必要な人数

アンテナの運搬・設置作業以外は1人でも可能ですが、マンションや住宅の上階に設置する場合は無理をせず補助を頼んでください。

海外衛星アンテナは120cmぐらいになると風圧で相当な力がかかり、微風でも倒れたり、強風になると1人で支えきれない動きを取ることがあります。目を放した隙に風が吹いてアンテナが落下する恐れもあるので、1人では大変危険です。マンションのベランダにCバンド用のアンテナを立てる場合は、特に注意が必要です。

非分割1枚もののスチール製アンテナは120cmにもなると30kg前後とかなり重くなることがあり、1人で持ち上げることは困難なこともあります。無理をすると怪我だけでなくアンテナの落下・凹みの原因にもなりかねません。我慢して1人で動かしてもディッシュが倒れて物にぶつかりボコリと凹みでもしたら大変なので、屋上等に上げる場合は人を呼んだ方が良いです。(我が家もそうしました。)

分割アンテナも1枚1枚はそう重くないのですが、それを持ち上げて取り付け巨大なディッシュの形にするとなると力が要ります。手伝ってくれる人がいれば2人で作業することをお勧めします。1人はディッシュを持つ係、もう1人はネジで固定する係です。(1人2役はかなりきついです。)

■作業時間

地中に基台を埋め込むような作業がなければ、慣れた人は

 ・Cバンド大型アンテナ組み立てに30分~1時間
 ・衛星探しに10分前後
 ・微調整に15分前後

で済んでしまうと思います。私も度重なるアンテナ調整の経験を積んだお蔭で、最近はシグナルが強い衛星であれば5分ぐらいでヒットするようになりました。

しかし最初のうちはそのようにはうまくいかず、時間がかかるのが普通かもしれません。おそらく1日で終わらない人も多いはずです。

私などは始めての頃には衛星探しに何時間もかかっており、「アンテナ組み立てが1日目、衛星探しが2日目以降~」といったスケジュールで作業。結局望むべき受信状態に漕ぎ着けたのは何日も後のことでした。

虎太郎

デジタル機器の好きな元文系人間です。家のあれこれで機材のメンテナンス継続が難しくなり海外衛星受信やPC自作は引退。

最近はPCやタブレットを使ったインターネットTV、STBのリモート視聴機能、Slingboxによるライブストリーミング、Android TV Boxにて国内外の放送を楽しんでいます。

所有Slingbox;
PRO-HD、350、500、M2

所有PC;
Windows 10、Windows 7

所有タブレット;
iPad、Android、Windows 10

その他;
Apple TV、Android TV Box